2014.8.4 |
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良心に恥じない生き方 |
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東京大学医学部教授、矢作直樹氏の心に響く言葉より…
私は「お天道さま」という言葉が大好きです。
どこか妙に懐かしい響きがあり、どんな時でも私たちを見守ってくれる存在感が滲み出ているからです。
お天道さまという言葉を知らない若い世代も多いかもしれませんが、この言葉には深い意味があります。
天道とは仏教における「六道」の一つです。
そもそも六道は人間が輪廻によって生死をくり返すと言われる六つの世界であり、それは地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道です。
天道は太陽そのものを指すと同時に、天の神(万物支配の神)を指します。
科学では天体が運行する道と解釈されます。
昔は悪いことをすると「お天道さまが見ているからね」「罰当たり」と叱られるのが普通でした。
多分ばれないだろうと思ったところで、人間のやることを天はお見通しなのだというわけです。
事実、誰も見ていないと思っていても、お天道さまだけでなく誰かが見ていたりしますから、悪事はすぐにばれてしまいます。
「良心に従って行動せよ」という言葉にも、近いニュアンスがあります。
「良心に恥じない生き方」とは、お天道さまに恥じない生き方ということであり、「誰も見ていなくてもズルや不正はするな、いつでもあなたを見ている存在があるよ」という意味です。
そしてお天道さま=良心という構図でわかるように、お天道さまはどこか遠くの空高くにいるのではなく、私たちのすぐそば、つまり私たちの胸の内にいつもいる、そう表現しているのだと思います。
『おかげさまで生きる』幻冬舎
因果応報という言葉がある。
よい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ。
仮に、この世において、悪逆の限りをつくした者が、その報いを受けずのうのうと暮らすことができたとしても、そのツケは来世において必ずやってくる。
誰も見ていないときの行いこそがその人の人格や品性を決める。
「お天道さまが見ている」
良心に恥じない生き方をしたい。 |
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