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2014.7.29

花結びの人


エッセイスト、清川妙氏の心に響く言葉より…

花笑(はなえ)みということばが好きである。

このことばを聞くだけでも頬に微笑がのぼってくる気がする。

花笑みとは、もともと、つぼんでいた花がパアッとひらく様子を言うことば。

古典教室の堀川さんから、大変おもしろいことばを聞いた。

「公園の散歩などで行き会う人たちは二種類に分かれるんですよ。

花結(はなむす)びの人とカタ結びの人に」

“花結び”の人は、会えばにっこりきれいな微笑がこぼれる。

花結びした紐(ひも)の片方をひっぱるとするりとほどけるように、表情がほどけてやらわらかい笑顔になる。

花笑み。

それである。

“カタ結び”の人は、その反対。

しっかりとカタ結びにした表情は、人と出会っても固く口を結んだまま、にこりともしない。

すてきな感性の持ち主の堀川さんらしい、なんとユニークな表現であろう。

この二つのことばを聞いてから、いろいろな人に会うのが、愉しくさえなった。

この人はカタ結びかな…近づかないうちから二つのタイプをあてられるのもおもしろい。

この花結び、カタ結びは、ただ表情だけではなく、会話にもつながる。

三十年ほど前、イギリス、ヨークシャーの嵐が丘に取材に行ったとき、谷川の傍の狭い道で、土地の人に出会ったことがある。

昨日まではどんより曇っていたのに、その日は朝から晴れわたって、せせらぎもきらめいていた。

向こうから来た人はすれちがいざま、花笑みを見せて、こう言った。

「やあ、あなたがたがいいお天気を連れてきてくれましたね!」

花結びの人の、ほんとうにおしゃれなあいさつをいまも思い出す。

『ほほ笑みのある暮らし』中経の文庫


花笑みは、「花咲み」とも書く。

文字通り、花がパアッと咲いたような華やかな笑顔のこと。

笑顔は相手の心の扉を開くことができるが、固い表情は相手の心を閉ざしてしまう。

子どもは、「今泣いたカラスがもう笑う」というように、泣いていても、すぐ機嫌を直して笑う。

しかし、たいていの大人はそうはいかない。

誰かとケンカしたりすると、それが直るのに何日もかかったりする。

感性に柔軟さがなくなってきているからだ。

心にわだかまり、というしこりが残ってしまっている。

心に、こだわりがない人、淡々とした人、素直な人は、花結びの人。

わだかまりや、しこりという固い結び目を持っている人は、カタ結びの人。

花笑みのある「花結びの人」でありたい。


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