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2014.6.13

常識を疑う


哲学者、小川仁志氏の心に響く言葉より…

「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう」。

これはアインシュタインの有名な言葉です。

なんとも痛烈な皮肉ですが、私は大賛成です。

天才というのは、多かれ少なかれ非常識な人たちだといえます。

また逆にそうでないと、人と違う成果など挙げられるわけがありません。

アップルの創業者故スティーブ・ジョブズをみてください。

伝説となったスタンフォード大学での名スピーチで披露した言葉、「ステイ・ハングリー、ステイ・クレイジー」のとおり、彼はクレイジーでした。

といっても、この場合のクレイジーは「狂う」という意味ではありません、むしろ「非常識な」というニュアンスに近いでしょう。

ジョブズが学生たちに言いたかったのは、常にハングリーでいろ、そして常に非常識に物事を考えろということだったと思うのです。

自らもそうであったように。

常識通りに考え、常識通りに振る舞うというのは、人と同じことしか考えない、人と同じことしかやらないというのと同じです。

なぜなら、常識とは英語でいうとわかりやすいのですが、コモン・センスだからです。

つまり、共通の感覚のことなのです。

それでは変わったものは出てきません。

共通の感覚を理解しつつも、自らは共通でない発想をし、共通でないものを生み出す。

これが大事です。

実は私のやっている哲学という学問は、常識を疑うことが必須の要件となっています。

というのも、物事の本質を探究するには、まず目の前に見えているものが本当に正しいかどうか吟味する必要があるからです。

しかし、常識を疑うのは決して楽ではありません。

世間と反対のことをいったり、時には対立しなければならないからです。

常識を疑う苦しみについては、歴史上の多くの科学者たちも経験してきたことです。

新しい説を唱えるときには、それまで常識とされてきた説を否定しなければなりません。

そうすると、必ず抵抗を示す人たちがいるのです。

その常識を守るために。

普通はそこでひるんでしまうのですが、歴史上に名を残した人たちは皆、さらに説得性を高め、ついには常識を覆(くつがえ)し、偉業を成し遂げてきたのです。

非常識を徹底することで天才になれる。

そしてその非常識は新たな常識へと取って代わる。

これが歴史上起こってきたことです。

だから私たちも常識を疑うことを恐れてはいけないのです。

そしてあきらめてはいけないのです。

『人生が変わるたった1%の頭の使い方』海竜社


「時には常識や知識から開放され、思いつきというものを大切にしてみてはどうだろうか」

と語ったのは、松下幸之助翁。

常識の反対は非常識だが、非常識は「思いつき」や「ひらめき」から生まれる。

「ひらめき」とはずっと考えてきたことがある日ふっとアイデアとして出てくることをいうが、「思いつき」とは苦しまぎれにその場を切り抜けようとして考えたアイデアをさし、あまりいい意味では使われないことが多い。

しかし、非常識を実践するには、「思いつき」のような軽さも必要だ。

同時に、ちょっとした「クレージー」さもなければ常識を超えることはできない。

現実社会では、ほんの4、5年前に常識だったことが、今では非常識になっていることが多く起きている。

日進月歩の現代、思いつきやひらめきを大事にすることはとても大事。

常識を疑うことを恐れない人でありたい。


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