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2014.5.23

徳を積み、よき言葉を使う


浜松医科大学名誉教授、高田明和氏の心に響く言葉より…

他人に尽くす。

私たちは成功すると有頂天になり、自分を人並み以上の優秀な人間と思い、自己中心的な行動をしがちです。

実はこれらは徳を損なう、つまり、不陰徳なのです。

その結果は晩年に現れるのです。

私は不陰徳の最大のものは、人の心を傷つけることだと思っています。

私たちは故意に、あるいは気づかずに人の心を傷つけてしまい、業の貯金を借金にしてしまいます。

その結果が晩年の不運、不幸、心の病なのです。

これから逃れるには、相手の心を傷つけない、他人に親切にし、他人の喜びを自分の喜びにする以外にないのです。

私も以前は、人の幸福を望むなどということがとてもできない性質でした。

しかし、最近年齢とともに、因果の法則が的中することを目の当たりに見て、他人に尽くす、人のためにする、他人の喜びを我が喜びにするということがいかに大事かをしみじみ感ずるようになったのです。

法句教(ほっくきょう)に次のような言葉があります。

「ひとを傷つける言葉を言うことなかれ 言われしものは、かならず言い返す

怒りを含む言葉は苦痛を与え その報いはかならずわが身に至る」

私は悪行を生むもっとも大きな原因は人の心を傷つけることだと思っています。

私たちはすでに多くの人の心を傷つけてきました。

これはどうしようもないのです。

しかし、この世だけではなく来世も来々世もあります。

今からでも遅くないのです。

徳を積む、人の心を傷つけないということに全力をあげましょう。

『責めず、比べず、思い出さず』コスモ21


時に、言葉は人を一瞬にして傷つける、刃物のようになることがある。

逆に、言葉は人を一瞬にして幸せにできる、魔法の道具でもある。

釈迦は、ある時弟子たちに向かって、「貧しい人たちの家を托鉢(たくはつ)してまわりなさい」と言ったという。

弟子たちは驚いて、「それは、貧しい人たちではなく、お金持ちの家の間違いではないでしょうか」と聞き返したという。

釈迦は、「貧しい人たちは、人に与えたり尽くすことを知らないから、いつまでも貧しいのだ。金額の多寡(たか)ではなく、その気づきのための托鉢なのだ」と。

人に与えること、人に尽くすこと、人に喜んでもらうことは、徳を積むこと。

人が喜ぶ姿を見ることは、自分もこの上なくうれしい。

徳を積み、よき言葉を使って人の心を温かくしたい。


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