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2014.5.6

学び続ける


津川雅彦氏の心に響く言葉より…

僕はもう74歳。

とっくに死んだほうがいい年齢です。

では、残った命をどう使えばいいのか。

それで、利他的遺伝子をフルに活用して生きなきゃ、とは思ったんですが、でも役者ってのは、果たして人の役に立ってるのかなとも考えましてね。

役者の演技は遊び心から生まれます。

生産性はゼロ、実業的価値は何もなし。

虚業でしかないんです。

だから昔は、河原乞食(こじき)とまで蔑(さげす)まれたわけです。

これもゼミ(芸能関係の人間を集めた津川ゼミ)で、「世阿弥(ぜあみ)」や「遊びの哲学」についてご講演をいただき、その遊び心が人生の余暇(よか)において観客に「元気を与える」ことができるんだと理解でき、とりあえず役者をやっててよかったんだと思うことができました。

歌舞伎がその理想的な形態ですが、現実では有り得ない大嘘(おおうそ)で練り上げられた世界なんですね。

しかし、観客はむしろ逆にその大嘘を期待して、まるで本当に起こっていることのように想像して楽しむんですね。

非常に残虐な話からも背筋がゾクッとするカッコよさや美しさを感じ取り楽しむんです。

このギャップを面白がる観客の想像力のたくさましさが「元気」となり、さらに素晴らしい作品と役者の凄腕(すごうで)に出合うことで、ある時不可能を可能にするような「元気」に昇華(しょうか)することが起こるんですね。

ダメな役者ってのは二種類ありまして、勉強が嫌いだから役者になったという古いタイプと、「そんなこともう知ってるよ」と云う唯我独尊(ゆいがどくそん)の左翼系ですね。

ゼミを始めたきっかけは、3・11の被災者が我慢、忍耐、礼節という美しい心で世界を感激させたことです。

英国のインディペンデント紙が一面を白紙にして真ん中に真赤な日の丸を描き、その中に白抜きで「がんばれ、日本。がんばれ、東北。」と日本語で書いてくれた。

僕は感激して泣いちゃいました。

僕らは敗戦とともに、日本が蔑まれるのをずっと我慢してきた世代で、日本人が世界から尊敬されたり、感激されることは生まれてこの方経験したことがなかったから、ただもう嬉しくて嬉しくて。

そこでハッと気づいたんです。

もし外国の役者に、「日本人のあの美意識はどこから生まれたの?」と聞かれたら、いまの僕は何も答えられない。

これは恥ずかし過ぎるから勉強しなきゃいけないとね。

僕この間数えてみたら、これまでに十三回入院していて、そのうち手術を十回していました。

心筋梗塞をはじめ、肺や頸椎(けいつい)等々いろんな病気をして、そのたびに入院し、手術をしてるんですが、どうやらそれが元気のもとではないかと(笑)。

病院に行くたびに元気になって帰ってくるんですね。

だから僕は入院も手術も大好きなんですよ。

元気なうちは一期一会を大切にし、きょう一日の命を充実させて、少しでも人のためにお役に立てることができればと思っています。

〈学びこそ、我が俳優業の原点〉村上和雄(筑波大名誉教授)&津川雅彦(俳優・映画監督)対談

『月刊致知 2014年6月号』“長の一年”致知出版社


ある時期、一世を風靡(ふうび)するような、スポーツ選手や俳優や歌手、芸能人、あるいは経営者やリーダーが出てくることがある。

しかし一時(いっとき)、マスコミに登場しない日はないほど人々にもてはやされた人であっても、その人気が続かないことは多い。

それは、そこに学び続ける姿勢があるかどうかで決まる。

学び続ける人は謙虚で、驕(おご)りがない。

自分を過信し唯我独尊になった人は没落する。

そして、自分の仕事や生きざまが、人様のお役に立っているのかどうかを常に問い続けている人も没落することはない。

世のため人のために、謙虚に学び続ける人でありたい。


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