2014.5.3 |
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人が変わるには |
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豊田圭一氏の心に響く言葉より…
人が変わりたい!と心の底から思うには「必然」か「欲望」が必要だと思っています。
“今までと同じ”“いつものように”がラクですし安心です。
思っている以上に惰性に流されやすい生き物なのです。
まずは、「必然」について、日本人の英語力を例に説明したいと思います。
20年前、日本人の英語力は世界でも最も低いレベルと言われていましたが、お隣の韓国人の英語力もかなり低く、私の感覚では同じくらいのレベルでした。
では、20年経った今ではどうでしょうか?
今でも日本人の英語力は相変わらず低く、世界でも最も低いレベルと言われています。
一方、韓国人の英語力は上がって、例えばTOEICのスコアでいうと日本人の平均よりも韓国人の平均のほうが40点も上だそうです。
私がよく訪れる東南アジアやインドなのでも、日本人よりはるかに多くの韓国人ビジネスパーソンがアグレッシブにビジネスを進めている感があります。
あなたはこの事実から何を思いますか?「日本人はいつまで経っても英語ができなくてダメだ」「日本人はハングリーじゃないからダメだ」と思いますか?
私はまったくそう思いません。
逆に「それだけ日本はすごいんだ」と思うのです。
おかなしなことを言っているように聞こえるかもしれませんが、私は人の行動を変える数少ない要因が「必然」だと思うのです。
だから、日本人には英語を話す必然性がなく、そして、韓国人には英語を話す必然があっただけだと思うのです。
少なくともこれまでは。
だって、英語力が世界で最低のレベルでもGDPが世界で3位ってすごいと思いませんか?
3位になったとはいえ、世界200ヶ国の中の3位ですよ。
一方で韓国は十数年前に国家が財政破綻に追い込まれ、IMFの介入ということになりました。
韓国の国内のマーケットも小さく、広く世界にマーケットを求めてビジネスを展開せざるをえませんでした。
しかし、日本語と同じように、韓国語では世界でビジネスができません。
つまり、世界にマーケットを求めなければならなくなった結果、英語を使う必然性に迫られたのです。
ということは、自分を変えたければそこに必然を起こさなければダメなのです。
ただ「英語ができたらいいなぁ」ではなく、英語を話さざるをえない状況にする。
例えば、留学は最も簡単な例でしょう。
やらざるをえない状況が人を動かし、新しい能力を身につけさせるのだと思います。
もう1つ、人を動かすのは「欲望」です。それも強烈な。
海外旅行から戻ってきて、「私も英語くらい話せるようになりたいなぁ」という程度の欲求では、日々の生活の中で「今日は疲れたから早く寝たい!」という欲望(睡眠欲)に負けてしまいます。
「仕事を頑張ったら今日は飲みに行きたい!」という欲望に負けてしまいます。
語学をマスターするにはその外国語を話す恋人をつくるのがよいという話を聞いたことがある人も多いかと思います。
冗談のような本当の話で、「必然」と「欲望」が組み合わさっているから有効でしょう。
やらざるをえない「必然」と同じくらいの、強烈な「欲望」がないとなかなか動かないのも事実です。
だから、逆に、自分の欲望が起こらないことを、「やったほうがいいのではないか?」という考えでやろうと思う必要もないと思います。
例えば、資格の内容自体にあまり興味がないのに、「これを取っておいたら就職や転職に有利なのではないか?」と考えるのはバカバカしいことです。
『引きずらない人は知っている、打たれ強くなる思考術』クロスメディア・パブリッシング
「やせたい」と思っている人は世にゴマンといる。
しかし、「やせたらいいなぁ」という程度の軽い気持ちで、痩(や)せられる人はほとんどいない。
「これ以上太ると入院だよ」と病院で脅かされた人や、「痩せなれば仕事がなくなる」というモデルや俳優のような人には痩せる「必然」がある。
人は崖っぷちに追い詰められるとありえないような力を発揮する。
「火事場の馬鹿力」だ。
自分の習慣や行動を変えなければならなくなったとき、そこに変える「必然」がなければそれは変わることはない。
同時に、強烈な欲望や願望が組み合わされるとその「必然」はもっと強固なものになる。
寝てもさめてもそのことが頭の隅から離れないような、「強烈な想い」、「ガマンできない欲求」だ。
人が変わるには、「必然」と「欲望」が必要だ。 |
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