2014.5.1 |
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仕事が人を育てる |
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高萩徳宗氏の心に響く言葉より…
私を必要としてくださるお客様には失礼かもしれませんが、この人生は自分で積極的に選んだものではありませんでした。
行きがかり上、歩いてきた道の先に現在があって、それでも預かった仕事は無我夢中で歯をくいしばって前に進んできました。
「俺、何やっているんだろう」。
絶望的に感じたことはもちろん数知れず。
疲れる時もテンションが異常に低い時もあります。
どうして続けられるかと言うと、神様から「まあ、お前はどうしようもないけれど、この仕事ならやれるんじゃないの。試してやるからやってごらん」と言われて仕事を預かっている感覚なのです。
私は特定の宗教を信仰しているわけではなく、神頼みが好きなわけでもありませんが、良い意味で何か見えない力を預かり、やらされている感覚なのです。
預かりものという感覚がぴったりかもしれません。
私には子供はいませんが、子供は予め選ぶことができませんよね。
だから授かりものと言って大切にされます。
神様からお預かりして育てているのです。
仕事もそれに近いのではないでしょうか。
だから、選びたいとか自分に向かないとか合わないとか言うのは違うのです。
そして、子育てが親を育てるように、仕事が人を育てるのです。
私はどれだけ仕事に自分を育ててもらったかわかりません。
未熟者でケンカばかりしていたダメサラリーマンを仕事がここまで育ててくれたのです。
この仕事をやらせていただいていることに感謝するより他にありません。
自己実現がブームですし、夢を描いてそれを叶えることができる人はすばらしいと尊敬します。
夢への努力は人の何倍、何十倍もされるのでしょうから。
でも、夢は自分のために見るもの、仕事は人のためにするもの、です。
あなたを、社会が、仕事が必要としているなら、人の役に立つためにその仕事を続けることがあなたの重要な役割なのです。
世の中にはおもしろくもおかしくもない地味な仕事がたくさんあります。
ほとんどの仕事は決して愉快なものではないはずです。
しかし、それを愚直にこなす人がいるから社会は成り立っているのです。
あなたはやらされるべき仕事があるのです。
私が手掛けている仕事、障害がある方や高齢者の方向けのバリアフリー旅行は、愛と涙と感謝の物語と言えるような甘い世界ではありません。
お客様が転ぶ、倒れる、発作を起こす。
海外で救急車を呼ぶ、緊急手術を行う。
スリやひったくりに遭う。
健常と言われる方の旅行に比較すると、リスク要因は何倍、時には何十倍にもなるでしょう。
旅行の現場はきれいごとではありません。
このような厳しい現実の前にはやりがいなどという言葉が軽く感じられてしまうことすらあります。
やりがい、ではやれないのです。
やりがいのある仕事に就きたいと小学生や中学生が言うのは大賛成です。
夢の領域と可能性は子供のころは無限大です。
しかし、成人した人間が同じことを言ってはいけません。
成人には社会的責任が伴うのです。
『サービスの心得』エイチエス株式会社
仕事や人生において、困難なことや災難やトラブルに出会ったとき、そこで文句や泣き言を言うか、あるはその中に何か意味やメッセージを見出すのかによって、その人の運は決まると言っていい。
大きいものから小さなものまで、自分が決めた選択に対してうまくいかなかったとき、どんな態度を取ったか、ということだ。
失敗もあり、間違った選択もあるのが人生だ。
大事なことは、うまくいかなかったとき、文句や愚痴を言うのか、そのことにニッコリ笑って感謝するのかの違いだ。
どんなことに対してもそこに意味があり感謝すべきことがある、と思ったとき運が拓(ひら)ける。
「仕事は、子ども同じように神さまからのお預かりもの」
仕事が人を育てる。 |
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