2014.4.23 |
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成功はランダムにやってくる |
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フランス・ヨハンソン氏の心に響く言葉より…
非常にシンプルで衝撃的な考え方がある。
一つは、成功は私たちが考えているよりはるかにランダムに起きるということ。
もう一つは、個人や組織がランダムに起きる成功をつかみ、うまく利用するためにできる行動はいろいろあるということだ。
この二つの考え方に衝撃を受けるとしたら、それは私たちが常日頃、成功とは戦略を練り、計画を立て、綿密な分析をした結果として現れるものだと刷り込まれているからにほかならない。
この二つの考え方は、一見すると矛盾しているように思える。
もし本当に成功がランダムに訪れるものなら、どんな行動をとっても成功のチャンスは増えないのではないか?
スターバックスやグーグルのような有名企業や中小企業の成功から、投資やキャリア、はては恋愛にいたるまで、すべてが偶然の結果だとしたら、目標に向かって努力することに意味はないのではないか?
成功者は、偶然の出会い、突然のひらめき、予期せぬ結果などを経験している。
彼らは運命を変えた瞬間のことを振り返り、「あの瞬間がすべての始まりだった」と言う。
誰にでも訪れるこの瞬間を、私は「クリック・モーメント」と名づけた。
有名な陸上コーチだったビル・バウワーマンは、ある朝、妻と朝食をとりながら、スパイクのないスポーツ・シューズを開発するというむずかしい問題に頭を悩ませていた。
ふと見ると、妻が6インチのアールデコ調のワッフル焼き器から、ワッフルを取り出しているではないか。
運命の瞬間だった。
バウワーマンは無言でラボへ走り、2種の化学薬品が入った缶を持って戻って来た。
これらを混ぜ合わせるとラテックスができる。
彼はそれをワッフル焼き器へ注ぎ入れた。
ワッフルの表面の小さな突起は、トラックを傷つけることなく地面をしっかり捉え、しかもランナーに快適な走りを約束できるだろうか?
答えはイエスだった。
実験はうまくいった。
ランダムに訪れた偶然の瞬間によって、小さな靴会社は転機を迎え、ナイキは世界的ブランドへと急成長した。
成功がランダムにやってくるためには、次の三つの教訓が必要だ。
一つ目の教訓は、世界は予測不可能であり、すごい速さで変化しているということ。
テニスやチェスのようにゲームのルールが固定されていない限り、このような早い変化をうけて成功はランダムになる。
誰かが成功したときの方程式を教えてもらうことは一見ありがたく思えるが、そのような方程式が存在すること自体が、方程式の効果をなくしてしまう。
ナイキなどの成功は論理のおかげではない。
大切なのは、誰かの具体的な戦術ではない。
よく考えてみると、具体的な戦術は、予期せぬ出会い、驚くべき契約、偶然のひらめき、幸運なめぐり合わせなどから生まれることに気づくだろう。
二つめの教訓は、私たちはランダム性を積極的に人生に取り入れようとはしないということ。
私たちが作り出した社会では、計画や予測可能性はすばらしいと教えられる。
次第に世界はそれを許さなくなっており、次第に成功は予測不可能になってきている。
私たちはランダム性を嫌う。
しかし、成功するためにはランダム性が必要である。
この二つの相反する事実を、どのように調和させればいいのだろうか?
もっとも大切なのは、情熱をモチベーションにすることだ。
情熱があれば私たちは前進し、賭けを続け、失敗した直後でもほかの手段を探すことができる。
三つ目の教訓は、物事がうまくいき始めているとき、自分に有利になりそうな出来事が起きているとき、それに気づくことはできるということだ。
そうなったときは、倍賭けするべきである。
こういう瞬間はめずらしく、毎日起きることはない。
世界は決して予測通りには動かない。
今日ほどこの言葉が的を射ているときはない。
だが、逆に言えば、誰もが予期せぬ方法で世界を変えるチャンスを持っているということだ。
チャンスは一瞬を駆け抜ける。
思いもよらないときに現れる。
そして、私たちの人生におけるさまざまな道が、驚くような方法でつながるその一瞬に、現れるのだ。
“「クリック・モーメント(チャンスの瞬間)」のつかみかた”
『成功は“ランダム”にやってくる!』阪急コミュニケーションズ
ゲームのルールが固定化された入学試験や資格試験などでは、計画的な努力や、勉強の量の差が成否を決める。
しかし、変化の激しい経済や政治、芸術、ビジネスの世界ではランダム性が、成功するかどうかに大きく関わってくる。
まるで予測のつかない変化の激しい現代においては、持ち込まれた縁や頼まれごとなどを、大切にして一所懸命にやり続けているうちに、大きなチャンスを手にすることがある。
ただし、そのチャンスは、エジソンのように、自分の夢を寝ても覚めても叶えようとしている人だけに訪れる。
つまり、情熱をモチベーションにすること。
そして、チャンスをつかんだと思ったら一気呵成(かせい)にいくことだ。
「得手(えて)に帆をあげる」という、調子に乗ること。
「成功はランダムにやってくる」
いくつになっても情熱を持ち続ける人でありたい。 |
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