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2014.4.15

請求書の祈りと領収書の祈り


五日市剛氏の心に響く言葉より…

著名な宗教評論家、ひろさちやさんの本を読んでいたら『領収書の祈り』というお話があり、とても興味深かったです。

ひろさんは子供のころ、祖父母に「神さまやほとけさまにお願いごとをするな」といわれていたそうです。

でも、ついそのことを忘れて、仏壇を拝む際に、ほとけさまにおねがいをすることが度々ありました。

祖父母は、それを見透かしたように、「どうやって拝んできたか」と必ず聞いてきました。

「今日、算数の試験があるから、100点取らせてくださいって拝んできた」と幼いひろさんが答えると、「あれだけいうてあったじゃないか。拝み直してこい!」と怒られたそうです。

はて?どうして神さまやほとけさまに、お願いごとをしてはいけないのでしょうか。

それは、『請求書の祈り』だからです。

神さまやほとけさまに勝手な請求書を突きつけて、「これを実現してくれ」というのはおかしいわけです。

それよりは、「ありがとうございました」と感謝の気持ちを込めた、『領収書の祈り』が正しいと、ひろさちやさんはいっています。

例えば、大学受験の際に、「合格しますように」と祈ったとします。

しかし、自分が合格するということは、だれかが落ちるわけです。

合格の祈りをする人は、そのことに気がついていないか、忘れています。

つまり、このような請求書の祈りばかりをしていると、ついつい他人が目に入らなくなるわけです。

さらに問題なのは、合格することはいいことで、落ちるのは悪いことだと思い込んでしまうことです。

合格することがいいかどうかは、実際に入学してみないとわかりません。

にもかかわらず、「おれを落としやがったな」なんて、神やほとけを恨むのはお門違いというものです。

だから、「我々は、請求書の祈りをしてはいけない。いつも見守ってくれている神さまやほとけさまに、“ありがとうございました”という感謝の気持ちを込めた、領収書の祈りをすることが大切」と、ひろさちやさんは述べていました。

なるほど!僕はそのとき、魔法の言葉の一つの用法を、ふと思い出しました。

「○○になりました、感謝します」と、未来に起こってほしいことを完了形でいって感謝すると、ほんとうにそれが実現しやすくなる…という魔法の言葉のつかい方。

これは『請求書』と『領収書』のどちらの祈りになるのでしょうか?

まさしく、『領収書』の祈りそのものです。

なんだかホッとしました。

『なぜ、感謝するとうまくいくのか』マキノ出版


3000件もの発明をした天才科学者、政木和三博士はこう語っている。

「欲望を捨てるということは、感謝の気持ちをいだくということに通じる。

本当の意味での感謝は無欲の中からしか出てこない。

そして、神仏に頼るのではなく、何かを願うときは必ず『もう、そうなった』という過去完了形で思うべきなのである」(『この世に不可能はない』・サンマーク出版)より

何かを欲しいと願う時は、欲望の塊となっている。

お金が欲しい、合格したい、車が欲しい、あれも欲しいこれも欲しい…

それが満たされなければ自分は不幸だと思ってしまう。

それが、「請求書の祈り」。

反対に、今あるものに感謝している時は、心が満ち足りた無欲の時。

たとえ道で転んだとしても、その程度ですんでよかったと感謝する。

愚痴や文句や請求書的祈りの多い人より、感謝多き人を神仏は好む。

「○○になりました、感謝します」というのが領収書の祈り。

感謝多き人生でありたい。


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