2014.4.11 |
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教わったことのない答えを見つける |
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斎藤一人さんの心に響く言葉より…
蕎麦(そば)屋で、こういうそばで、このおつゆで、これを出す。
それで繁盛したとします。
その商売当たったんですよね。
こういうのは、コピーがきくのです。
だから、その蕎麦屋が江戸川区で当たったのなら、葛飾区でも同じことをすれば当たります。
世田谷でも当たるのです。
コピーがきくから、一個当たりを見つければ、何回でも当てられます。
商売でビルが建つのはそういうワケなのです。
だから、「大金持ちになりたかったら商人になるといいよ」って、私はいうのですね。
「商人は楽しいよ」っていいます。
けれど、商人になるのなら、なった後のことも考えなくちゃいけない。
「自分は人に使われるのが嫌だから独立したい」という人が、結構、います。
不況になるほど、店舗が安く借りられたり、独立しやすくなるから、「今だ、それ行け!」となるのですが。
そういう人に、覚悟を試すわけじゃいけれど、私はよくこの話をするのです。
「商人がサラリーマンより楽だ」と思ってやるならやめたほうがいいよ、って。
「サラリーマンの三倍、苦労していいんだ」というつもりでやったほうがいいよ、って。
その心構えがあれば、頭も使うし、いろんな知恵も使おうとします。
そうやって、サラリーマンのときより三倍努力して、サラリーマンと同じ収入になったら成功者。
これが、商人の世界です。
サラリーマンは楽だ、といっているのではありません。
サラリーマンとは世界がまったく違う、といっているのです。
どれぐらい世界が違うかというと、このたとえは、あまり使いたくないのだけれど、たとえば、東大に入った人たちは、最高学府に入って、「頭がいい」とされていますよね。
その頭のいい東大生は、なぜか、企業家にならずに、官僚になりたがる。
それはなぜかというと、自分たちの頭は、記憶力頭であって、学校の勉強がよくできても、経営ということになってくると通用しないことを知っているのです、あの人たちは。
「東大を一番で出ました」といっても、学校の試験には必ず教わったことしか出ません。
すでにある答えを書けばいい世界です。
ところが、実社会はそうじゃない。
商人になって困ることというのは、答えがない、ということなのです。
経済学者やアナリストは、過去にさかのぼって、「こういう事例に似てる」とかいいます。
似てる事例はいくらでもあるけど、競馬の予想だって、過去のデータをいくら調べても、次のレースは当たらないんですよ(笑)。
だから、商人の世界は、教わったことを答案用紙に書くとか、過去の事例を探すのとは、全然、違うのです。
商人は、一つの当たりを見つけたら、それをコピーしていくのと同時に、未来を見通していかなきゃいけない。
その、教わったことのない答えを、どうやって見つけるか。
これにかかってくるのです、商人の世界は。
だから、ヘンな話、一流企業の部長クラスの人でも、自分で喫茶店をやったらつぶします。
それぐらいに思ったほうがいいのです。
会社にいたときは、自分の部下や取引業者さんから「部長、部長」って、上に置かれていても、焼き鳥屋をやったら、うまくいくかどうかわかりません。
自分が知っている焼き鳥屋の大将が大学出じゃなくて、いつも俗っぽい話しかしないから、「あの大将がやれるなら、自分もできる」と思ってやってみたら、大将のすごさがわかります。
『眼力』サンマーク出版
中小企業の中でも、最も起業率が高く、同時に廃業率も高い業種の一つが飲食業。
設立1年後で50%、10年後では10%しか残っていない、というデータがある。
そして、日本の法人の約7割は赤字企業。
見た目では簡単そうな飲食業は、実は本当に難しいビジネス。
調理やメニュー開発、ネーミング、広告宣伝、接客、ディスプレイ、店舗開発等々、普通の会社でいう、製造部門、研究開発部門、マーケティング部門、パブリシティ部門、IT部門、カスタマーサービス部門、インテリア内装、不動産部門等々を同時に、高いレベルで実行していかなければならない。
やらなければならないことが多岐にわたっているからだ。
単に料理が上手だとか好きだから、という理由だけでは店の繁栄は望めない。
飲食業に限らず起業するなら、人の3倍、4倍働く気がなければ成功はおぼつかない。
そして、競争が激化すればするほど、人マネではうまくいかない。
しかしながら、難しければ難しいほど、やりがいがあるのが人生だ。
商人の醍醐味(だいごみ)は、「教わったことのない答えを、どうやって見つけるか」。
「商人は楽しいよ」と、ニコニコして言える人でありたい。 |
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