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2014.3.30

なぜあの人はいつも助けてもらえるのか


藤巻幸大氏の心に響く言葉より…

とくに若い時はいろんな人から可愛がられた方が絶対に得です。

さまざまなことを学んで吸収する若い時期は、教えてくれる人が一人でもたくさんいた方がいい。

教えてもらうにはまず可愛がられるということがポイントになるでしょう。

ところがどうも最近の若い人を見ていると、可愛がられる要素が少なくなってきているのではと感じてしまいます。

まず一言で言うならば、昔の若者たちよりも情報量は10年前よりも格段に増えています。

あらゆる分野の情報がネットで瞬時に入ってくる。

昔なら先輩や上司に聞かなければ分からないことも、あとでインターネットで調べればたいていのことは分かってしまいます。

場合によってはネットを駆使する若い人の方が情報をたくさん持っていることだってあるでしょう。

誰に聞かなくったって自分はもう知っているという気持ちとか、知らないことでも調べれば簡単に分かるという気持ち、それがあまりに前面に出てしまうと、やはり「可愛げのない奴」だと思われてしまいます。

賢いことが仇(あだ)になってしまうんですね。

それと関連していると思うのは、知らないことを知らないと素直に言えなかったり、バカにされたくないとか低く見られたくないという気持ちが強い。

見栄や体裁を気にして、自分を大きく見せようという気持ちもいまの若い人は強いのではと思います。

最初からすべての仕事をこなせる人なんて存在しません。

できないのが当たり前、失敗するのが当たり前なんですが、格好悪い自分を見せたくないという気持ちが強いのでしょう。

そのために自分のできる範囲とか得意分野でしか仕事をしなくなる人もいます。

当然、自分の可能性はどんどん狭くなってしまう。

守りの姿勢と言っていいと思いますが、若くしてその癖が付いてしまうと、30代半ばを超えて部下を持つようになってからが大変です。

逃げの仕事をしてきた人の言葉には説得力はありませんからね。

部下は上司の言葉に説得力があるかないかに対してはとくに敏感です。

もっと自分をさらけ出しましょう。

そして真剣に躓(つまず)いたり七転八倒、格闘する姿を恥ずかしがらずにさらけ出す。

バカだと言われてもダメな奴だと言われても、どこか素直で真剣な人物なら、周囲は認めてくれるし可愛がってもらえるはずです。

可愛がられると言うと、何だか人に媚(こ)びているようで嫌だと言う人もいるかもしれません。

自分の隙を相手にわざと見せて取り入ろうとするような。

でも僕から言わせると、本当の意味で可愛がられると言うことはとても奥が深いものだと思います。

たとえば突っ込みどころ満載の隙だらけで未熟な人物がいたとしましょう。

そういう人物がはたしてすべて可愛がられるか?

けっしてそうではありませんよね。

人によってはそうした理由で嫌われたり敬遠される場合だって少なくない。

いや、むしろその方が多いのではないでしょうか。

一体その違いは何なのでしょう?

僕はその人の心根(こころね)だと思います。

どこか純粋で素直であるとか、飾らないで素をさらけ出すことができるとか、物事に真剣に真摯(しんし)に向き合う姿勢だとか…。

そいういう人間的な部分、心根の部分がまっすぐで歪(ゆが)んでいないこと。

そいういう心根がしっかりしている人は、ある種のポテンシャルの高さを感じさせます。

いまは知識も技術も足りない未熟な状態でも、それを身につけたら将来は伸びるというような期待感や希望を抱かせるんですね。

『なぜあの人はいつも助けてもらえるのか』PHPビジネス新書


松下幸之助翁は、成功するのに最も必要なことの第一に、「可愛げ」をあげている。

可愛げとは、愛嬌(あいきょう)のあることだ。

愛嬌があるのと、媚(こ)びを売るのとは違う。

愛嬌がある人は、人の喜びや利益を先に考え、いつもニコニコと人を和ませ、感謝がある。

つまり、素直で、損得で考えない利他の人。

媚びを売る人は、まず自分のことを先に考える利己の人。

自分の利益のために、卑屈(ひくつ)に媚びを売る。

人からいつも助けてもらえる人は、可愛げがある。


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