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2014.3.29

いやなことは私が


東京純心女子学園理事長、高野澄子氏の心に響く言葉より…

毎日をいきいきと過ごすための方法を知っていますか。

簡単です。

いやなことをすればいいのです。

「いやなことをする」と言っても、人が不快になったり傷ついたりするようなことをしましょう、ということではありませんよ。

誰もが「いやだな」とか「やりたくないな」ということを我先に喜んで行うのです!

「マリアさま いやなことは私が よろこんで」

これが私たちの学校の標語で、校内にも数か所にその言葉が掲げられています。

江角先生は、まさにこの言葉を実践される方でした。

先生は、学校でもトイレや溝を率先して掃除されていました。

トイレ掃除も溝掃除も、人のやりたがらないことというのは、たいてい臭いし汚いし面倒なことです。

でも、汚いと気づいて何もしないより、掃除すればきれいになるし、気持ちがいいでしょう。

周りもそうでしょうし、たとえ気づいてもらえなくても、自分がすっきりするでしょう。

掃除だけではありません。

好まないことや避けてしまいたいことを進んで行う。

「いやだ」という気持ちが起こっても、「これくらいはやろう」と自分に言い聞かせる。

そうして、「いやなこと」をやるとき、どうやら不思議な力が湧いてくるようです。

もちろん、いやいやでは駄目ですよ。

喜んでやることが大切です。

初めは喜んでできないかもしれませんが、そうするように意識しているうちに、できるようになるのです。

だいたい、やってみないで判断しないでください。

やってみたら、そんなにいやでないかもしれないし、あとそれが役に立つことだってあるかもしれません。

まずは些細(ささい)なことから始めましょう。

店でパンや果物を買うときに、「できるだけ大きいのを」とか「形のきれなものを」と選り好みをするのをやめてみる。

紙屑が落ちているのを見つけたら拾う。

使ったあとの洗面台をさっと拭く。

どんな小さなことでもいいから、気づいたら「私が」と思って行動しましょう。

いやなことをするのは「愛の業」だと江角先生は言われました。

人を愛し、大切にしたいなら、言葉だけでは不十分です。

人を喜ばせることを考え、行いましょう。

毎日の中に自分のやりたいことが見出せなくても、人のやらないこと、やりたがらないことを見つけたら、それをやってしまえばいいのです。

そう考えると、実行できることはいっぱいあるでしょう。

あらあら、忙しくなりそうですね。

『心を灯すマッチのように』メディアファクトリー


シスター江角ヤスは、日本のマザーテレサと呼ばれた方だ。

1899年に生まれ、東北帝国大学を卒業、フランスに留学後、次々と学校設立に携わり、それらを軌道にのせ、東京純心女子学園も設立した。

「損と得とあらば 損の道をゆくこと」

という言葉を信条としたのは、ダスキンの創業者、鈴木清一氏。

「いやなことは私が よろこんで」という言葉も同じこと。

損の道をゆく人、いやなことをよろこんでやる人、頼まれごとや苦手なことを嫌な顔をしないでやる人は、運が知らずにたまっていく。

それを、欽ちゃんこと萩本欣一氏は、こう語る。

「イヤなほうから幸運の矢が飛んでくる」

「いやなことは私が」と、喜んで言える人でありたい。


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