2014.3.4 |
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先入観から脱け出す |
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齋藤孝氏の心に響く言葉より…
思い込み、先入観から脱け出せるのが、「考える力」があるということだ。
それは、フッサールの唱えた現象学でいうと、決めつけずに「括弧(かっこ)に入れる」ということである。
簡単にいえば、「だから男というのは…」「だから女というのは…」「いまどきの若いヤツは…」などと、一般論にしてしまわないことだ。
一般論にしてしまうと、思考は進まない。
現象学の考え方では、「いまどきの若者というのは」といった一般論をいったん括弧に入れて、とりあえず決めつけない。
そして現象を丁寧に記述してみるのだ。
私たちは、一度「これはこういうものだ」と思ってしまうと、その観念からなかなか抜け出せない。
そこから抜け出せなければ、新たな発想、アイデアなどは、なかなか生み出せないのだ。
「もし(If)〜であれば」のように、「これを変えてみたらどうだろう」と考える方法も有効だ。
「もし、これがなくなったらどうだろうか」「これがあったらどうだろうか」と、想像力の世界でどんどん変更を加えてみる。
すると本質が見えてきやすい。
これがフッサールの使った「想像的な変更」という技法である。
たとえば、「子ども用のゲームを高齢者用のゲームにしたらどうだろうか」と考えてみる。
あるいは映画などで、いまこの主人公が男で設定してあるが、これを女に変えたらどうなるかと考えてみる。
すると、展開が変わってくるだろうし、この物語自体がどう変わるのか、と考えてみるのだ。
ある条件を変えると、他のことまで連鎖していろんなことが変わってくる。
想像力でいろんな条件を変更していき、その変化を考えるうちにアイディアが湧いてくることがある。
『アイディアを10倍生む 考える力』大和書房
齋藤氏はこう語る。
『「考える」とは、基本的には言葉を操り、「意味」を生み出す技術だ。
たとえば、スペイン語ができないのに「スペイン語で考えろ」と言われてもできない。
言葉をどれだけ自由に操れるかが、「考える力」に比例するといっていい』
言葉を多く知っていて、同時にそれを使いこなせなければ、考える力を高めることはできない。
つまり、幼稚園児や小学生は、彼ら彼女らの知っている言葉の範囲の中でしか考えることはできない。
だから、アイデアを出すためには、まず読書が必要。
その上で、「これはこういうものだ」、という固定観念を取り払ったり、「これをこう変えてみたらどうか」という全体の中の一部分を変えてみる。
先入観や思い込みを捨て、新たなアイディアを生み出したい。 |
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