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2014.2.19

まさかという坂

櫻井秀勲氏の心に響く言葉より…

古今東西の戦争は、これまでどのくらいの数に上っているか知らないが、第二次世界大戦が1945年に終結して以来、現在までまったく戦争に関係なかった国は、日本とスイスだけだ、と聞いたことがある。

それほど戦争は日常的に行われているということなのだ。

それだけに、各国とも名将、名提督が崇拝されている。

これらの名戦術家たちの戦術を詰めていくと、大きな成功を収めたときは、相手の心理の“真反対”に行動を起こした際にかぎられている。

「まさか!?」

と思っている、その虚を突いて大勝利を収めた歴史的なケースは、誰でも知っている織田信長の“桶狭間の合戦”だ。

源義経のひよどり越えの逆落としも、まさかこの崖を馬で降りてはこられまいという、相手の油断の上に立てた作戦だった。

「この雨だから攻められまい」

「この荒海から上陸することはあり得ない」

「この峠の雪道を一日では無理だ」

などなど、無数にある。

豊臣秀吉と明智光秀との一戦も、中国路大返しという荒技によって秀吉の勝利となった。

坂本竜馬が常に人気の上位にいるのも、彼の卓越した発想と行動力にあることは、誰もが認めるところだ。

彼の発想の原点も、“まさか”にあった。

一刀流のつかい手がピストルをつかう“まさか”。

薩長という大げんかの最中の雄藩を同盟させた“まさか”。

尊王攘夷の最中に、諸外国との交易を考えて海援隊を組織した“まさか”など、常に意表を突いた行動に出る魅力の持ち主だった。

企画とはかくあるべし、の見本をズラリと並べて世を去った天才企画マンといえよう。

常識を破れば“まさか”が現実になる。

この“まさか”を考えていくことをすすめたい。

『「逆さ」思考なら発想力がつく』文香社


「人生には、上り坂、下り坂の他に、まさかという坂がある」という言葉がある。

思ってもみなかった驚きの出来事のことだ。

「人のゆく裏に道あり花の山」とは、相場の格言だが、誰もが当然行くだろうと思っている道の、裏を行くことこそが唯一儲かる道なのだという。

「みんなが言っていること」、「新聞やマスコミが言っていること」、「流行していること、これから流行しそうなこと」、「常識」等々の裏を行くと、斬新で、あっと驚く発想がわいてくる。

時にはニヤリと笑って、人と真逆の発想をしてみたい。



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