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2014.2.18

ギブ・アンド・テイク

樺旦純氏の心に響く言葉より…

人間関係の基本はギブ・アンド・テイクである。

社会的交換理論では、これを「報酬−コスト=利益」として計算する。

ビジネスでは互いの取引が公平でなければ、長期的な信頼関係は築けない。

交渉はフィフティ・フィフティである。

人間関係もそれと同じだ。

人は互いにいろいろなものを交換し、与え合って生きている。

お金やモノといった物理的報酬だけでなく、愛情、情報、地位、名誉などの心理的報酬や、一緒にいてくれたり、助け合ったりといった相互依存も含まれる。

相手に利益を与えることもあれば、こちらが利益を得ることもある、いわば「持ちつ持たれつ」の関係である。

そのため、人は自分の何かと交換してくれる人とつきあいたがり、交換してくれない人とはつき合いたがらない。

こちらが利益を与えても、何の利益も得られなければ、無理してまでつき合う必要はないと考える。

また、互いに交換したいものがまったく一致しない場合も、出会いは親しいつき合いには発展しない。

人が自分と似ている人に好意を持ちやすいのは、同意や共感を得られることで安心し、自尊心が高められるといった心理的報酬があるからだ。

まったくちがう考えや価値観を持っている人とは、話が合わず、相手の考えや行動も読めないので疲れる。

それを考えると、親しい人というのは、互いに時間的にも労力的にもコストが少なく、報酬の大きい相手といえるのかもしれない。

世の中には、利益になるような人には近づき、相手が利益をもたらしてくれないとわかった時点で離れる人がいる。

その場その場では得をしているようにみえても、結局は信用を失い、長い目でみると大きな損失である。

かといって、テイクを受け入れないのも「つき合いづらい人」とみられる。

どんなに困っていても、「人の助けはいらない」とつっぱねる人がいるが、自分が困った時に助けてもらったら、他人が困った時に助けてあげればいい。

人は元来、利己主義であり、自分のことが第一である。

欲張りで、できるだけ得をしたい、楽をしたいと考える(利益最大化原理)。

人から親切にされれば喜ぶが、人から何か頼まれると、それなりの代償がないと行動したがらないものである。

最初は親しかった者同士でも、不公平な関係が長く続けば、一方が負担を感じて不満が生じたりする。

『「出会い運に強い人」10の習慣』成美文庫


今日は相手の話を相当聞いているな、と思ったら、実際には半分以上自分がしゃべっていると思った方がいい。

人は、自分のこととなると、少し甘く考えてしまうものだからだ。

同様に、自分は十分に与えているのに、お礼の言葉や気遣いが足りない、と相手に思ってしまうのが人間だ。

ギブ・アンド・テイクを実践するなら、自分の方が相手より少し多めにギブしようと思っていると、ちょうどフィフティ・フィフティになる。

少し損して生きるくらいで人生はちょうどいい。



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