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2014.1.7

ある自転車屋さんの話

小林正観さんの心に響く言葉より…

ある自転車屋さんの話なんですが、今、自転車というのは、スーパーマーケットとか量販店だとかですごく安く売ってますよね。

わざわざ専門店に買いに来る人が少なくなってしまって、これからどうしたらよいだろうか、という相談を受けたんですね。

私は「喜ばれる存在になること、それだけですよね」って言いましたら、その人は自分なりに考えてこういう結論を出しました。

「修理の大好きな自転車屋」っていうのを名刺に入れ始めたんです。

そしたら、毎日、たくさんの修理を頼まれるようになったそうです。

で、その修理をやっていった結果として、「修理を頼んできた人たちも自転車を買い替えるときには、うちの店に来てくれるようになりました」って話していました。

だって、自転車という商品そのものは、どこの店でも同じようなものでしょう。

そしたら、お客さんが来るかどうかは、その店、その人に関わりたいと思うかどうかなんです。

それに、スーパーや量販店では多分、修理してくれないですよね。

ちょっと壊れても、「買い替えたら、安いんだから」って言われそうです。

その人は、どんなに安い修理でも全然いやがらずにニコニコしながらずーっと「修理の大好きな自転車屋さん」をやり続けた。

すごく頼みやすい人になったんです。

実は、頼みやすい人、頼まれやすい人というのは、もうひとつ別の言い方で言いますと“人徳”というのですが、“人徳”イコール、“人格者”ですね。

結局、人が集まるような人格になってしまえば、必ずやそこで商売が成り立つわけですから、仕事というのはまさに人格の延長なんです。

自分の周りでいかにたくさんの人が喜んでくださるか、喜ばれる存在になるか。

どうしてこんな簡単なことを世の中で教えなかったんでしょうか。

人間が、この世に生命をもらった意味というのは「人格を磨く」というこの一点だけで存在しています。

人格を磨くというのは、経済的に成功するとか、社会的に地位や名誉を得るとかいうことではなくて、いかに自分の存在がたくさんの人から喜ばれるか、ということです。

それが、魂の究極の目標なんです。

でももし、あのときに彼が「もう自転車屋なんて時代遅れでダメだ」って愚痴や泣き言を言っていたら、多分商売もたちゆかなかったと思うんですけれど

「喜ばれる存在になりたい。お金のことは考えずに、ただ修理をやっていこう」

って決めた。
その決め方がとても美しいですよね。

そんな彼を見たときに、神さまだったら「絶対、味方したい」って思うんじゃないでしょうか。

もちろん、いい結果というのは、1回2回ではすぐには出てこないかもしれませんが、できる限り続けていたら、これまでとまったく違う世界の住人になるみたいです。

「人生ってこんなに面白かったのか」って思うほどの醍醐味を味わえるようですね。

『宇宙が味方の見方道』弘園社

人を寄せつけない、ピリピリした雰囲気の人がいる。

そういう人には見えないバリアがあるから、人から何かを頼まれることはない。

偉そうだったり、暗くて、愚痴や悪口が多い人も同じだ。

気さくで、明るくて、前向きで、笑顔の人は、頼まれ事の人生を歩む人だ。

頼みやすい人は、“人徳”のある人。

そして、魂の究極の目標は、「人格を磨くこと」

人に喜ばれる存在でありたい。



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