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2014.1.6

ラテラルシンキング

木村尚義氏の心に響く言葉より…

「ラテラルシンキング」とは、イギリス人のエドワード・デ・ボノ博士が1967年に提唱した考え方で、「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」ということになります。

さらに言えば、「発想の枠を広げる思考法」とでも言えばいいでしょうか。

これに対して、「ロジカルシンキング」という考え方があります。

ロジカルシンキングとは、「論理的な思考」のことです。

A→B→Cというように物事を順番に積み上げながら、筋道立てて正解を導いていく考え方です。

したがって、思考の各ステップが正しくつながっていることが大前提。

途中で論理の運び方に無理があれば正解にはたどり着けません。

常識や経験から、妥当と思われる「正解」を導くためにロジックを掘り下げていくので、垂直思考と呼ばれることもあります。

これに対してラテラルシンキングは、解決策を導くための順番や過程はあまり問題になりません。

だから、筋道立てて考える必要もない。

それどころか、スタート時点からジャンプして、いきなり答えに到達してもいいのです。

ラテラルシンキングには、ロジカルシンキングと違って、「唯一の正解」というものがありません。

ラテラルシンキングのラテラルは、「水平」という意味です。

したがって、ラテラル思考は「水平思考」ですが、これは水平方向に視点を広げる思考法だということです。

視点を広げる際にさまざまな選択肢が生まれますが、どんなものであれ、問題の解決につながるものはすべて正解。

答えが多ければ多いほうが望ましく、あらゆる案に対して、「それもアリだね」という態度をとる思考法なのです。

要するに、問題を解決するときに、ロジカルシンキングで問われるのは「過程」であり、ラテラルシンキングで問われるのは「結果」なのです。

例えば、こういう事例があります。

ある人が「ビジネスショー」に出店しましたが、事業のポイントをまとめた小冊子を配布しようと考えたのですが、それを手にとってもらえないので山のように用意した部数がなかなかなくなりません。

そこで“ある方法”を実行しました。

それまで「よろしかったら、お読みください」と言いながら配っていたのですが、小冊子をテーブルに置き、「すみません!おひとり様3部までにしてください!」と言い換えたのです。

その結果、本当に3部ずつ減っていきました。

「そんなにみんなが持っていくのなら、見てみようか…」という心理が働いたのでしょう。

『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』あさ出版


ラテラルシンキングで成功した事例は多くある。

例えば、アメリカのサウスウエスト航空が示した経営方針「当社は最格安航空会社である」というキャッチフレーズを実現するためにしたことは、積み卸しやサービスに時間のかかる機内食を廃止し、飲み物とスナックだけにした。

あるいは、「時間通りの運行」を実現するために、「乗客の搭乗手続きに時間がかかる」という問題を解決した。

その方法は、搭乗チケットは発行せずに、席は早いもの順としたため、乗客も早く集まるようになったという。

(以上同書より)

今も昔も、商売や事業、あるいは物事の成否は、ロジカルシンキングより、ラテラルシンキング的発想。

異質なもの同士を組み合わせたり、欠点を逆手に取ったりする、あっと驚くような手法。

ますます、ラテラルシンキング力が必要となってきた。



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