2013.12.27 |
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下積みの経験
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ビートたけし氏の心に響く言葉より…
最近の若い奴らは、ちょっとネタができるとすぐライブに出たり、テレビに出たりで下積みって経験がないからね。
それは手っ取り早くていいんだろうけど、なんだか芸に「味」みたいなもんがないって感じはあるよね。
下積みの頃に悶々としながら考えたことって、やっぱり後から効いてくるもんなんでさ。
考えようによっちゃ、今のタレント芸人のほうがよっぽどキツいんじゃないか。
ビンボーでどうしようもなくても、救ってくれる師匠や先輩がそばにいてくれないわけだからね。
よくよく考えてみると、オイラの若い頃は、特にひもじかったわけでもないんだよな。
飲み屋に行けば、なじみの客から「おう、焼酎でものましてやるよ」って奢ってもらえたしね。
今の世知辛い世の中じゃ、芸人をつかまえて一杯奢ろうなんてヤツはなかなかいないだろう。
昔は別に豊かだったわけじゃないけど、なんだかおおらかというか、悠長だったんだよな。
今は便利でいろんなものも売ってるし、食い物だって安いから小銭で腹一杯になれるけど、なんだか味がなくなったよね。
世の中が全部ジャンクになっちまってるって気がする。
新聞や週刊誌だってそうじゃねぇかな。
ドンドン売れなくなってくると、どっかで見たようなスキャンダルとか、ありがちな批判記事に頼りがちになるけど、そうなってくるとどの雑誌を見ても同じってことになっちまうわけでね。
即効性はなくても「読ませる記事」「味のあるページ」ってのが増えてこないとダメだよな。
まァ、どの業界でもそうだね。
世の中全体が回り道をすることを嫌がって、すぐに結果を求めるようになっちまったからさ。
アベノミクスの世の中に逆行するようだけど、もしかしたらニッポンを救うのは下積み制度の復活かもしれないぜ。
『ヒンシュクの達人』小学館新書
効率を重視し、最短の道を行く人が賢い、という風潮がある。
無駄なこと、回り道は悪、という考え方だ。
しかし、回り道だと思ったことが後から考えると、それは自分の人生において最も必要なことだった、ということはよくある。
嫌なできごとや、挫折、失敗も同じ。
人生において無駄なことは何ひとつない。
回り道をたくさんしてきた人の人生には、味がある。 |
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