2013.12.22 |
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奉仕している人に奉仕する
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西村克己氏の心に響く言葉より…
「直接顧客に奉仕していないとしたら、直接顧客に奉仕している人に奉仕すべきだ」(コトラー)
メーカーの生命線が、いい製品づくりだとすれば、全社員はそのために働くべきである。
同様に、企業の生命線がお客様だとすれば、全社員が顧客のために働くのが当然である。
それは直接お客様と接する部門だけの役ではなく、社員一人ひとりがお客様を意識しながら働くことを意味している。
「でも、自分はお客様と接することなどない」と考える社員はどうすればいいのか。
コトラーは明快に断じている。
「社員が直接顧客に奉仕していないとしたら、少なくとも、直接顧客に奉仕している人に奉仕すべきだ」
たとえば、どうすれば営業部員が成果を上げやすいかを考える。
どうすればサービス部門が動きやすくなるかを工夫する。
全社員がそんな姿勢で臨む企業は、お客様とのよい関係を築くことができる。
だが実際には、お客様と接する現場と、本社スタッフ部門との関係は微妙だ。
スタッフが現場より上で、現場はスタッフが決めた通りに動けばいいと考える人がいる。
ある電機メーカーのトップは、こうした考え方はおかしいと、スタッフ部門の責任者を現場に連れて行き、「なぜ経理はこんなに多くの伝票を書かせるのか」「なぜ人事はここから人を抜くのか」と問いただした。
やがて同社は業界トップクラスの利益率を達成するようになった。
『一分間コトラー』ソフトバンククリエイティブ
夫婦でやっているような飲食店で、調理場の夫が接客する奥さんへの、偉そうな命令口調や怒鳴り声が聞こえてきて、冷えびえとしてしまう店がある。
反対に、夫婦であっても敬語や丁寧な言葉をお互いに使い合う、ほのぼのとした店もある。
ほんとうは、お客様と直接に接することのない調理人こそが、店の雰囲気や温かさをつくりあげているのに、料理だけを作ればいいと思っている。
「顧客に奉仕していない人は、直接顧客に奉仕している人に奉仕する必要がある」
人を明るくし、機嫌をよくすれば、それはまわりまわって自分にかえってくる。 |
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