2013.12.18 |
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自分の頭で考えられる人
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カスピアン・ウッズ氏の心に響く言葉より…
本当の意味で事業を確実なものにしたいなら、思いきってセーフティネットを撤去する必要がある。
オランダ人の交通工学者ハンス・モンデルマンが2001年に試みた、一風変わったアプローチを紹介しよう。
彼は警告標識や信号機、ガードレール、縁石、スピード防止帯といったものは不要なだけでなく、自分で自分を守ろうとする意識を希薄にしてしまうと考えた。
その理論を実証するため、モンデルマンはドラフテンという町の中心地から、交通を規制するものをすべて排除した。
信号機にはじまり、車線、ロータリー、縁石にいたるまで全部だ。
町の中心を示すのは、丸い芝生としゃれた噴水だけになった。
一年後、彼の予想が正しかったことが証明される。
交通量が増えたにもかかわらず、渋滞は緩和され、交通事故も半減した。
モンデルマンのお気に入りの遊びは、目を閉じたまま後ろ向きで歩いて、混雑した広場を通り抜けることだ。
誰にもぶつかることはない。
まわりの人たちが彼を避けてくれる。
ドライバーや住民にインタビューすると、みな一様に以前よりも危険を感じるようになったと答えた。
モンデルマンは満足げにいう。
「安全性が低くなったことが功を奏したのです」
ドライバーも歩行者も何かに“守られている”という感覚がなくなると、自らの行動にもっと責任を持つようになるというわけだ。
『まじめなのに結果が出ない人は「まわりと同じ考え方をしている」という法則』三笠書房
人は、あまりにも、至れり尽くせりの環境になれると、自分の頭で考えない人間になってしまう。
つまり、過保護の状態。
過保護に育てられた子どもは、自分が「次に何をやればいいかわからない」、と言うような「自立できない人」。
安全な日本から、いきなり治安の悪い海外に放りだされると、たいがい誰もたくましくなって帰ってくる。
自分の頭をフル回転させ、自分の身は自分で守るという思考回路ができるからだ。
過保護は、感性や野生のカンを鈍くさせる。
実際のビジネスや人生には、危険なわなや、落とし穴が待ち受けていることがよくある。
危機に強い、自らの頭で考えるたくましい人でありたい。 |
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