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2013.12.5

自責の人と他責の人

江上治氏の心に響く言葉より…

私たちは、チャンスに恵まれるときもあれば、不運な目に遭(あ)うときもある。

会社員であれば、希望しない部署への異動や転勤がある。

会社そのものが倒産することもあるかもしれない。

プライベートでは家族の病気も不運であるし、事故に遭うこともある。

こうした逆境や苦難は、誰でも避けたいものだ。

だが、不運に遭遇したとき、これをどうとらえるか。

じつは、そこが億単位の年収を稼げるか、ミリオネアになれるかの試金石なのだ。

どのような出来事であれ、「起こったことは、すべて自分のせい」と考えられる人は、不運をチャンスに変えられる人である。

私は、それをある顧客から教わった。

東海地方で医療法人を経営するY理事長だ。

私がY理事長から教わった話とは、次のような内容だ。

起こった不運を他人のせいにする「他責」と、自分のせいだと考える「自責」でいえば、稼ぐ人の思考の根底には、つねに「自責」がある。

社員を雇っている経営者であれば、100パーセントが自分の責任と思える人でなければ、とてつもない年収を稼ぐ人にはなれない。

たとえば社員にやる気がないという問題や、社員が休みがちという問題が起こったとする。

その場合でも、それは、そういう境遇しか与えられない経営者の責任だ。

夫婦の関係においても同様。

夫婦の間ですれ違いがあったときに、相手のほうが悪いと思うから、問題が起きるのだ。

そうではなく、たとえば奥さんが食事をつくらなかったとしたら、奥さんをそのような気分にさせている自分が悪い。

家に帰ったときに、奥さんの機嫌が悪かったとしたら、それも自分が悪い。

もしかして、「ただいま」という自分の声が暗かったのかもしれない。

ぜんぶ自分が悪いのだと、まずは思え。

そうすれば、自然と解決策が生まれてくる。

ところが、相手のあそこが悪い、ここが悪いと言い出すから、何の解決にもならず、同じ諍(いさか)いを繰り返す。

自分にとっての新しい気づきがないだけでなく、人間的な成長もなくなる。

自分が成長しないどころか、どんどん後退していくことになるのだ。

つまり、とても自分のせいとは思えないような不運に遭っても、すべてが自分のせいであると自然に考えられるのが、稼ぐ人の思考である。

ほかの誰のせいでもない。

自分が引き受けていくしかないと思えば、すべてに覚悟を決めて向き合うことができる。

すべてを自責と考えることができる人は、何があってもポジティブに解決策を考えていける人でもある。

『プロフェッショナルミリオネア』プレジデント社


稼げるとか稼げないということに関わらず、どんな人にもあてはまることは、運と不運への対処の仕方によって人生は決まる、と言うこと。

不運をなげき、それに文句を言う人には、決して豊かな人生はめぐってこない。

人生は選択の連続だ。

進学、就職、結婚、あるいは、中退、転職、離婚…

だが、どんな状況に陥(おちい)ろうと、自分が決めた選択に対して、後から文句を言う人の運は逃げていく。

たとえ、こと志と違って意に沿わず入った学校や会社であったとしても、最後にそれを選んだのは自分だ。

文句を言うなら自分に言うしかないのに、人やまわりのせいにする。

そいう人を、幼児性の抜けない子供、という。

真に自立した大人は、人のせいにはしない。

人のせいにしない人は、自責の人。

人やまわりのせいにする人は、他責の人。

真に自立した自責の人でありたい。



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