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2013.12.4

二匹目のドジョウ

セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO、鈴木敏文氏の心に響く言葉より…

モノあまりの時代でも、お客様は新しいものを求める。

それを裏返していえば、人のものまねをしても、「二匹目のドジョウ」はあまり売れないということです。

モノ不足の時代だったら、柳の下のドジョウが二匹も、三匹もいましたから、あの人があそこでドジョウをとったら、自分もそこでとってみようということがありえました。

実際、二番手商法で儲かってきた有名企業もあります。

しかし、いまは柳の下にドジョウが一匹いるかどうかの時代で、二番手商法はなかなか通用しなくなりました。

「売る力」が問われ、ドジョウがどこにいるのか自分で探さなければならないのです。

この点に関して、AKB48の総合プロデューサーの秋元康さんは、「柳の下にドジョウは二匹いるかもしれないが、二匹目のドジョウは小ぶり」と、同様の考えを示されました。

秋元さんはこう断言します。

「『食べるラー油』が流行ると、その次に何がヒットするかを考えるとき、『生七味』とか似たような商品の枠のなかで考えてしまいます。

しかし、そのなかには大ヒットするものは、もうないんです」

柳の下の二匹目のドジョウは追わない。

大ヒットを飛ばした方々のお話を伺うと、共通しているのはやはり、ものまねをしないということです。

秋元さんから聞いた「ココアとバターと文庫本」の話もとても印象的でした。

新しいものを生み出すという意味のイノベーション(革新)には二つあって、一つはこれまで存在しなかった概念のものを生み出すことです。

そして、もう一つは既存の概念のものに新しい意味をつけ加えて革新することです。

「ココアとバターと文庫本」の話も、新しいものといっても、すべてがまったく新しいものである必要は必ずしもないという話のなかで出た例でした。

ヨーロッパでは、冬にはココアに少量のバターを入れる飲み方があり、よりコクが増しておいしくなるそうです。

しかし、日本ではほとんど知られていません。

そこで、「秋から冬の夜長には、ひとかけらのバターを入れた温かいココアを片手に文庫本を読もう」といった提案をしたら、いままでにない組み合わせを多くの人が新鮮に感じるのではないか。

そういう提案の新しさも大切ではないかという話でした。

ココア自体は昔からある飲み物で別に目新しくはありません。

バターも、文庫本もそうです。

しかし、ココアにバターと文庫本が組み合わさり、結びつくことで新しい意味が生まれる。

このような、これまでにない組み合わせや結びつきを提案したり、提供することを、秋元さんは「予定調和を壊す」と表現します。

予定調和とはもともとは哲学用語ですが、日本では、「誰もが予想する流れどおりにものごとが進み、結果も予想どおりである」という意味で使われるようです。

秋元さんによれば、ココアにバターと文庫本の組み合わせのように、どこでもある商品のように見えて、ほかとは違って「おや」と思わせることが予定調和を崩すことだといいます。

ただし、あまりにも奇をてらったことをしても、予定調和を崩すことにはならないようで、たとえば、ハンバーガーにあんこをはさむといった奇抜なことをやっても、一時的には話題になっても、すぐ飽きられる。

「小売業の魅力の本質は、予定調和を崩す新しい提案が絶えずあって、『おや、今度はどんな新しい提案があるのだろうか』とワクワクして期待をもってもらうことではないでしょうか」という秋元さんの話は「売る力」の本質を見事にいいあてているように感じました。

『売る力 心をつかむ仕事術』文春新書


競争のない時代には、流行っているモノや店をそっくりマネるだけで商売になった。

しかし、現代のような変化の激しい時代には、それはありえない。

昨日いいと思っていたものが、あっという間に陳腐化するからだ。

だから、大事なことはモノまねではなく、独創性という目新しさ。

この世にないモノを生み出そうとするのではなく、今あるモノとモノとのまったく新しい組み合わせを考えることも独創性だ。

そして、独創性や目新しさには、「おや」っと思わせる小さな驚きが必要だ。

二匹目のドジョウをねらったら、予定調和を崩すことにはならない。

マネをせずに、人と違う道を行くことを恐れない人でありたい。



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