2013.11.27 |
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人をひきつけるものは暖
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邑井操氏の心に響く言葉より…
戦前、三井物産では社員を一等、二等、三等にわけたそうである。
一等社員は、仕事ができて仲間達と仲よくできる人、二等社員は仕事はできるが、同僚間がうまくいかぬ人、三等社員はその二つともだめな人。
なかなか、おもしろい評価法だ。
これはただ社員生活だけにとどまらない。
大器を目指し、晩成を願う人にとっても一つの目標となろう。
何事にせよ、その人の存在理由、価値を示す実力、地力、能力、才能がなければ、これぞと思う仕事はできない。
だが人間関係をこじらせてしまえば人間の世の中では成功しない。
人と人との関係がスムーズにいかなければ、結局は「小器短成」におちこむ。
人間関係を面倒がっていては、孤立するしかない。
世に小利口な人間は煩(わずら)わしさをいとうて人づき合いを拒んでしまう。
本田技研が45歳の河島喜好さんを後継者に選んだとき、創業者・本田宗一郎さんが種明かしをしてくれた。
「まず彼ほどトップのものの考え方を理解してくれた人はいない。
第一番だ。
それともう一つ、彼は目障りにならぬ人だ。
目障りになる人を社長にしたら、会社はつぶれますよ」
とにかく能力に自信のある人間は、おれがおれがと出しゃばるので、周囲の反感を買い、全体の調和を破るからだ。
彼はどんな場合でも、自分を売り出し、押し出そうとしたことはなく、ひたすらホンダを売り出し、押し出すべく全力をあげてきた。
だから誰の目障りになることもなく、人から敬愛されたのだ。
「だから私と藤沢副社長(武夫)の間ではもう何年も前から、後継者は河島君ときめていました」
さすがに本田さん、人を見る目が的を射ている。
人間関係を順調に保つための必要事は、人にだまされぬことであり、物事の判断、処理をあやまらぬ“慧(けい)”であり、聡明さである。
それともう一つ、人に接して好感を与えるもの、人をひきつけるものは暖、あたたかさだ。
『遅咲きの人間学』PHP文庫
人をひきつけるものは暖。
人を引き離すのは冷。
ありがとう、感謝、幸せ、うれしい、楽しい…
あたたかな言葉は、人の心をあたたかくする。
愚痴、泣き言、文句、悪口、不平不満、非難、批判…
冷たい言葉は、人の心を冷やす。
人から好かれるあたたかな人でありたい。 |
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