2013.11.25 |
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勝利の女神が好む人
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将棋の米長邦雄氏の心に響く言葉より…
勝利の女神は、謙虚と笑いを好みます。
人間さまの倫理や法による裁きとは、またちょっと違う裁定を下すところがむずかしく、それだけに面白いとも言えましょう。
ビジネスにせよ、恋愛にせよ、幸運と不運、勝ちと負けはつきものです。
負けた側、失敗したほうには、必ずその原因があるはずですが、突きつめてゆきますと、女神の機嫌を損(そこ)ねたことに到達してしまうのです。
この女神の、人間さまと違うところは、何度ヒジ鉄をくらわした者にでも、見直した点がありさえすれば、それまでの冷たい態度を急変させて惚れてくれることでしょう。
失敗しても、挫折しても、“どうしたら女神に好かれるか”と念じつつ努力さえしたならば、必ずや勝利の美酒によいしれることができる。
この一点を強調しておきたいのです。
それには、まず第一に笑う人物でなければなりません。
自分が笑う、そして人も笑わせる。
人を笑わせるということは、サービスすること、奉仕することである。
笑って明るい気分になっていただく。
その姿勢があるかどうか。
「福」は、神を意味する「示」(しめすへん)に徳利(とくり)を表す「副」である。
皆で酒を飲んでワイワイガヤガヤ明るく騒ぐ。
その明るさの中に神が宿る。
また、傲慢で硬直した姿勢…俺は偉い、俺は正しい、俺の言うことを聞け、というあり方を捨てること。
勝利の女神は、正しいか否かよりも、笑いがあるか、謙虚であるかどうかを重視している。
まずこの二つで女神に満足してもらい、それから事の正否を論じても遅くはない。
『運を育てる』クレスト社
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天(あま)の岩戸にお隠れになったとき、それを開けることができたのは、理屈による説得でもなく、力ずくでもなかった。
大勢の神さまたちが集まり、なさったことは、天の岩戸の前で、大声で笑って、明るく騒ぐこと。
笑いや明るさは神さまが最も好むこと。
笑いがあって明るい人のまわりにはたくさんの人が集まるが、仏頂面(ぶっちょうづら)で暗い人のまわりには誰も寄りつかない。
謙虚さのない偉そうな人のまわりにも、人は寄り付かない。
笑いと明るさのある謙虚な人でありたい。 |
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