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2013.11.19

感謝しています!

西田文郎氏の心に響く言葉より…

あるとき私のもとに、1軍から2軍に落とされたプロ野球選手が訪ねてきました。

早速私は、1軍に上がるある方法を教えたのですが、それから10数日後、再び彼は1軍に返り咲きました。

はたして、彼に伝授した秘策とは何か?

たとえば会社なら、部下を左遷した上司というのは、評価できない部分があるから左遷してしまうわけですが、そのじつ、それからすこしの間は、その部下のことが気になっているものです。

このときに、「上司のバカヤロー!オレを左遷しやがって」と思ってしまうとそれまでなのですが、このようなときこそ間接暗示を発揮しなけばなりません。

2軍の彼に実際に教えたのは、「2軍の監督にメッセージを伝える」ということでした。

具体的には、次のようなものです。

「僕は今回、1軍の監督さんに2軍に落とされたけど、僕の野球人生の中では、これが一番の勉強になったと思います。

本当に1軍の監督さんに感謝しています」

本心は悔しい思いでいっぱいなのですが、あえてこのように2軍の監督さんに言うのです。

すると何が起きるかというと、かならず2軍の監督は、「監督、彼がこんなことを言ってました」と、1軍の監督に報告します。

それにより1軍の監督さんは、「お、あいついいヤツだな、やっと何か気付いたな」というので、再び1軍に引き上げてくれるのです。

なぜこのようなことが起きるかというと、落とした相手のことを本人はずっと気にしているのです。

気になっているその部分に間接暗示を使って安心感を与えてあげると、気をよくして、「またアイツを応援してあげたい」という気持ちになるからです。

また、その際は、第三者を通じた間接的なメッセージがより相手の心を動かすことになるので効果的です。

本当は悔しい思いでいっぱいでも、このような言葉ひとつで、相手は「もう一度アイツにかけてみよう!」という気持ちになるものなのです。

これを一般の人たちは「おべんちゃら」と呼んでいるのですが、これこそ究極の他喜力なのです。

『他喜力』徳間書店


西田文郎氏は、「世の中は、他人を喜ばした人が勝つ仕組みになっている」という。

反対にいうと、自分のことしか考えていない自己中心的な人は、永遠に成功できないということ。

商売においても、他人を喜ばすことに生き甲斐を感じている人は、洋の東西を問わず必ず成功している。

人を喜ばす方法はたくさんあるが、その究極は、「感謝すること」。

あなたがいてくれてよかった、とその存在に感謝する。

嫌なことがあったら、そのことに感謝しよう、とはよく言われることだ。

それは、神さまの喜ぶことをする、というのと同じことかもしれない。

つまり、人格を向上させるため、その人にとって嫌なこと、つまり挫折や、失敗や、試練を与えたのは、神という存在なのかもしれないからだ。

「自分の身の回りに起こることには全て意味がある」と思ったとき、感謝が生まれる。

つらいことや苦しいことが起きたときほど、感謝の気持は必要だ。



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