2013.11.5 |
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社会が決定してくれる
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松下幸之助氏の心に響く言葉より…
昭和29年、松下幸之助が銀行に挨拶に行ったとき、銀行のある重役が、「松下電器はどこまで拡張するのですか」という質問をした。
これに対して、幸之助はゆっくりした口調でこう答えた。
「それは私にもわかりません。
松下電器を大きくするか、小さくするかということは、社長の私が決めるものでもなければ、松下電器が決めるものでもありません。
すべて社会が決定してくれるものだと思います。
松下電器が立派な仕事をして消費者に喜んでいただけたならば、もっとつくれという要望が集まってくる。
そのかぎりにおいてはどこまでも拡張しなければなりません。
しかし、逆にわれわれがいかに現状を維持したいと考えても、悪いものをつくっていたのではだんだん売れなくなって、現状維持どころか縮小せざるを得なくなる。
だから、松下の今後の発展はすべて社会が決定してくれるのです。
もちろん半期とか1年とかの一応の見通しを立てた計画書は銀行へお出ししていますが、どこまで拡張するかと言われると、これはわからないという答えしか出せません」
『エピソードで読む松下幸之助』(PHP総合研究所)PHP新書
ドラッカーは、こう語った。
「事業が何かを決めるのは顧客である。
社名や定款ではない。
顧客が満足する欲求が事業を決める。
事業の目的として有効な定義はただ一つである。
顧客を創造することである。
顧客は、神や自然や経済的な力によって創造されるのではない。
事業家によって創造される」
会社が伸びるかどうかは、全て顧客が決める。
顧客が受け入れてくれれば会社は伸びるし、反対に、受け入れてくれなければ衰退の一途をたどることになる。
つまり、今伸びていない会社は、「今のやり方は間違っている」、と顧客が教えてくれている。
これは一個人としても同じこと。
社会(顧客)に受け入れられない言動をくり返せば、人(顧客)は離れていく。
「すべての現象は、社会が決定してくれる」
自分の評価は自分が決めるのではなく、人が決めるもの。
謙虚に自分の足元を見つめたい。 |
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