2013.11.4 |
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日本を好きになる
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竹田恒泰氏の心に響く言葉より…
現在の日本は、内憂外患を抱えていて、経済一つとっても、長引く不景気とデフレに苦しんでいる。
しかし、日本経済の規模はいまだ大きく、日本人の多くが思っている以上に世界に対する影響力は大きい。
GDPを国際比較すると、日本経済の大きさがわかる。
2012年の名目GDPは、日本が5兆9640億ドルで世界第3位。
韓国の1兆1559億ドルをかなり大きく引き離している。
日本のGDPが他国の何倍に当たるか、いくつか挙げてみよう。
ロシアの約3倍、スウェーデンの約11倍、オーストラリアの約15倍、ベトナムの約43倍、ミャンマーの約112倍、ウガンダの約284倍、ラオスの約647倍、ブータンの約2711倍、ツバルの約15万倍。
いかに日本のGDPが大きいかを理解していただけたろう。
日本の国土は約37万8000平方キロメートルで世界60位、しかも、世界の陸地の0.25%に過ぎない。
それほど小さな国土しか持たない日本が、世界有数の経済力を保持しているのである。
ところで、日本の県のGDPで比較すると次のようになる。
東京都が韓国より上位、大阪府がオーストラリアより上位、福岡県がフィリッピンより上位、静岡県がニュージーランドより上位となる。
日本の県レベルで、アジアや欧州、大洋州の一カ国分程度の経済規模を持っていることがわかるだろう。
私たち日本人は、豊かであること、そして平和であることに慣れてしまい、それが当たり前のように思っている節がある。
しかし、敗戦によって全てを失い、ゼロからの再スタートを切った日本が、短期間のうちにこれほどの経済復興を果たしたことは、まさに人類の奇跡というに相応しい。
長引く不況のなかにあるとはいえ、日本はいまだ絶大なる経済力を保っている。
戦後の貧しい日本を知らない世代も、先輩たちの努力を忘れてはいけない。
日本人が大国であることに慢心したとしたら、国の未来はないだろう。
終戦によって、日本人が日本を愛したり、好きになったり、肯定したりすることが禁止されてしまった。
もしこのまま何も起きなければ、日本人の民族性と愛国心は失われ、かつてカルタゴがたどったのとまったく同じ道を歩むことになったであろう。
あと30年でも、あの拝金主義が蔓延していたら、日本の未来はなかった。
そんなときに、東日本大震災が起きた。
多くの尊い命を失って初めて私たちは、長い眠りから覚めたように、日本人の精神を取り戻した。
私のフランス人の友人が、震災後にニュース映像で見た被災地の人びとの姿に感動したというメールを送ってくれた。
なんとそこには「被災地の日本人の姿は、一人ひとりがおよそイエス・キリストのように見えた」と書かれていた。
その後、ミャンマーに行ったとき、ガイドの女性からも、似たようなことを言われた。
「東北の人たちの姿は、全員がブッダのように見えた」と。
近年、日本人が日本を好きになったのは、東日本大震災からではなかったとかと思う。
これだけ大きな災害を経験しないと気付かなかったかと思うと、日本人として反省至極である。
しかし、震災から年月が経過したいまも、多くの被災者が不自由な生活を続けていて、復興とは程遠いのが現状である。
私たちは震災で、大切なものはカネだけではないということに気付かされた。
これまで意識もしていなかったもの、たとえば家族や地域の絆や、日本人の精神、そういったものに本当に価値があることを知った。
私たち日本人が原点に立ち返り、美しい日本の精神を取り戻し、その光のなかで立ち上がって本物の復興を遂げたときに、もしかしたら震災で亡くなった方々に報いることができるのかもしれない。
『日本人はいつ日本が好きになったのか』PHP新書
アメリカのとある病院の壁に、一人のベトナム戦争の帰還兵が書きつけたものと言われている、【グリフィンの祈り】という詩がある。
【グリフィンの祈り】
大きなことを成し遂げるために、力を与えて欲しいと神に求めたのに、
謙虚を学ぶようにと、弱さを授かった。
偉大なことができるように健康を求めたのに、
より良きことをするようにと、病気をたまわった。
幸せになろうと富を求めたのに、
賢明であるようにと、貧困を授かった。
世の人々の賞賛を得ようとして、成功を求めたのに、
得意にならないようにと、失敗を授かった。
人生を享受しようとしてあらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるようにと、命を授かった。
求めたものは一つとして与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。
神の意にそわぬものであるにもかかわらず、
心の中の言い表せない祈りは、すべて叶えられた。
私は最も豊かに祝福されたのだ。
『神さまに好かれる話』(五月書房)より
「日本人が原点に立ち返り、美しい日本の精神を取り戻すこと」
この美しい日本に、心からの誇りを持ちたい。 |
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