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2013.11.3

日本人の誇り

藤原正彦氏の心に響く言葉より…

二年前に、私はお茶の水女子大学を退職しました。

私は、そこでよく新入生にこう尋ねていました。

「日本はどういう国と思いますか」

20歳くらいの彼女達の答えには、表現の差こそあれ、「恥ずかしい国」「胸を張って語れない歴史をもつ国」などと否定的なものが多かったのです。

「明治、大正、昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義をひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。

江戸時代は士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐(しいた)げられた恥ずかしい国。

その前ももっと恥ずかしい国、その前はもっともっと…」

こう習ってきたのです。

日本中のほとんどの若者が自国の歴史を否定しています。

その結果、祖国への誇りを持てないでいます。

意欲や志の源泉を枯らしているのです。

私は学生達の、かくもひどい国に生まれた不幸に同情した後、必ず質問することにしていました。

「それでは尋ねますが、西暦500年から1500年までの10世紀間に、日本一国で生まれた文学作品がその間にヨーロッパで生まれた文学作品を、質および量で圧倒しているように私には思えますがいかがですか」

これで学生達は沈黙します。

私はたたみかけます。

「それでは、その10世紀間に生まれた英文学、フランス文学、ロシア文学、をひっくるめて3つでいいから挙げてください」

私自身、「ベーオウルフ」「カンタベリー物語」くらいしか頭に思い浮かびません。

私は彼女達にさらに問いかけます。

「この間に日本は、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集、源氏物語、平家物語、方丈記、徒然草、太平記…と際限なく文学を生み続けましたね。

しかも万葉集などは一部エリートのものではなく、防人(さきもり)など庶民の歌も多く含まれています。

それほど恥ずかしい国の恥ずかしい国民が、よくぞ、それほど香り高い文学作品を大量に生んだものですね」

理系の学生がいればさらにたたみかけます。

「世界中の理系の大学1年生か2年生が習う行列式は、ドイツの生んだ大天才ライプニッツの発見ということになっていますが、実はその10年前、元禄に入る以前の天和3年に関孝和が鎖国の中で発見し、ジャンジャン使っていたものですよ」

自国を卑下するという世界でも稀な傾向は私の学生のみに見られるものではなく、統計的にもあらわれています。

世界数十カ国の大学や研究機関が参加する「世界価値観調査」によりますと、18歳以上の男女をサンプルとした2000年のデータですが、日本人は「自国を誇りに思う」の項目で世界最低に近いのです。

いかにして日本人は祖国への誇りをかくも失い、周辺諸国の顔色を覗(うかが)って生きて行くほど卑屈になったのでしょうか。

戦後実は、アメリカが日本に与えた致命傷は、新憲法でも皇室典範でも教育基本法でも神道指令でもありません。

占領後間もなく実施した、新聞、雑誌、放送、映画などに対する厳しい言論統制でした。

終戦のずっと前からずっと練りに練っていたウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラム(WGIP・戦争についての罪の意識を日本人に植えつける宣伝計画)

この「罪意識扶植計画」は、自由と民主主義の旗手を自任するアメリカが、戦争責任の一切を日本とりわけ軍部にかぶせるため、日本人の言論の自由を封殺するという挙に出たのです。

これについては江藤淳氏の名著「閉ざされた言論空間」(文春文庫)に余す所なく記されています。

『日本人の誇り』文春新書


明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏は、日本人が祖国への誇りを失った大きな原因の一つは、教育にあり、その中心にあるのは正しい歴史を教えてこなかったことにある、という。

世界中どこでも教えている自国の神話や古代史の教育が、終戦後できなくなったからだ。

戦後、日本人は、神話のみならず、偉人伝も学ばなくなった。

日本国内にある国旗で、いちばん数が多いのはイタリアの国旗で、2番目がフランス、3番目にようやく日本の国旗だという。

日本人としての誇りを持つために、もう1度自国の歴史を勉強してみたい。



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