2013.10.23 |
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倦(う)むことなかれ
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新井正明氏の心に響く言葉より…
「無倦(むけん)」
倦(う)むことなかれ。
これは『論語』の子路第十三の一番最初に出てくる言葉です。
数々の古典の中でも、特に私の好きな言葉です。
人生の妙諦(みょうてい)は、この一語に尽きるのではないのかと思います。
「子路、政を問う。
子の曰く、これに先んじこれを労す。
益を請う。
曰く、倦むことなかれ」
子路という弟子が、孔子に、政治を行なう上で大事なことは何ですかと聞いた。
孔子は、何より民の先頭に立ってやりなさい。
そしてその労をねぎらってやりなさい、と答えた。
子路はあまり簡単なので満足せず、もっと他にないですか、と聞く。
それに対して、孔子は、中途でいやにならず倦むことなくやり続けることですよ、と答えています。
人間は誰しも新しい地位についたり、新しい仕事に取り組んだりする場合、初めのうちは情熱を傾け、一所懸命に励みますが、そのうち慣れてくると、とかく怠け心が出てきてだれやすいものです。
優秀な人物で役員に登用されてからめきめきと実力をつける人と、そこで成長が止まってしまう人がいます。
また、ある地位までは大変な力を発揮しますが、一段上にあがると、それほどでもない、という人もいます。
そういう人たちは、結局、この「無倦」の真の意味を知らなかったか、知っていて行なわなかった人ではないかという気がします。
「無倦」は言葉では簡単ですが、実行はなかなか難しい。
孔子は、そこを教えてくれているのです。
『先哲の言葉』致知出版社
倦(う)むとは、途中で飽(あ)きてしまう、嫌になってしまう、ということ。
「うさぎと亀」のたとえのごとく、途中で投げ出さず、あきらめなければたいていのことは何とかなるものだ。
『失敗したところでやめてしまうから失敗になる。
成功するところまで続ければ、それは成功になる』 (松下幸之助)
人生の妙諦は、「倦むことなかれ」。
倦まず弛(たゆ)まず、コツコツと努力の人でありたい。 |
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