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2013.10.11

「小学」とは

伊與田覺氏の心に響く言葉より…

中国に『小学』という古典があります。

いまから800年余り前に朱子(しゅし)と劉子澄(りゅうしちょう)という人が、四書五経をはじめとする古い書物の中から大切な教えを選出したものです。

江戸時代に主流を成していた朱子学の教えとも関係が深く、武士の家庭教育、さらには一般家庭の子女教育を通じて日本人の心に深く浸透し、実践されたことで、日本人の質は格段に向上しました。

幕末に日本を訪れた欧米人は、東洋の野蛮国と蔑(さげす)んでいた日本人が、実際に会ってみると実に礼儀正しく、躾の行き届いていることに感嘆し、「東洋の君子国」と讃(たた)えました。

列強の植民地支配から日本が独立を堅持できたのは、この教えを通じて国民が優れた人間性を育んでいたことが大きいと私は思います。

しかしながら戦後、『小学』の説く人間としての基礎教育が疎(おろそ)かになったことで、日本は誠に恥ずかしい国になりました。

『小学』には次の一節があります。

「古(いにしえ)の小学、人を教うるに、洒掃(さいそう)、応対、進退の節(せつ)、親(しん)を愛し、長を敬(けい)し、師を隆(たっと)び、友に親しむの道を以(もっ)てす。

皆身を修(おさ)め、家を齊(ととの)え、国を治め、天下を平(たい)らにするの本(もと)と為(な)す所以(ゆえん)なり」

『小学』において、まず人を教えるのに洒掃、応対、進退の大事なところ、そして親を愛し、目上の者を敬い、先生を尊び、友を親しむ。

そういう道を教えることは、自分の身を修め、家を斉え、国を治め、天下を平らかにするもととなる、と説かれています。

洒掃は掃除を意味します。

日本神道の精神は、清く、明るく、直き心ですが、掃除はそうした人間が本来持っているよい資質を引き出し、人間を創る一番の基本となります。

応対は挨拶です。

親が赤ん坊に毎朝「おはよう」と声を掛け続けていると、成長するに従い「おはようございます」と挨拶を返してくれるようになります。

これが応対の一番の基本であり、幼い頃に習慣化すれば生涯失われることはありません。

進退は立ったり座ったり、進んだり退いたりといった作法です。

禅寺を訪ねるとよく玄関に「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」と書かれています。

まずは自分の脱いだ靴をちゃんと揃えること。

これが人間修行の第一歩だと説いているのです。

ゆえに玄関の履き物を見れば、その家の家風が概(おおむ)ね分かるともいわれるのです。

洒掃、応対、進退は習慣づけることが大切で、少し気が緩むと乱れてしまううちは習慣化されたとは言えません。

習慣の慣は慣(な)れるという字ですが、日々繰り返し実践を重ね、無意識のうちにちゃんとできるようになって初めて習慣づけられたといえるのです。

『人生を導く 先哲の言葉』致知出版社


哲学者の森信三先生が提唱された、「しつけの三原則」がある。

一つ、朝、必ず親に挨拶をする子にすること。

二つ、親に呼ばれたら必ず、「ハイ」とハッキリ返事のできる子にすること。

三つ、ハキモノを脱いだら、必ずそろえ、席を立ったら必ずイスを入れる子にすること。

これこそが、まさに小学の教えだ。

どんなに知識があろうと、年を重ねた大人であっても、この基本が身についていなければ、人として尊敬されることはない。

洒掃(さいそう)、応対、進退。

そして、そして親を愛し、目上の者を敬い、先生を尊び、友を親しむ、という当たり前の大事なことがないがしろにされて久しい。

「小学」をもう一度見直したい。



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