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2013.10.9

争わない生き方

精神科医、和田秀樹氏の心に響く言葉より…

「勝ち組」とか「負け組」とか、なんとも味気ない言い方がされていますが、人生を周りの人との競争だと思ってしまう人は、こういう考え方になるのでしょうね。

ところがそういう考え方にとらわれない人が確実に存在しています。

人と争うことを好まず、おだやかに、自分が進む道をたんたんと歩いて行くという人です。

これが「『自分は自分、人は人』という人」であり、同じことですが、「『争わない生き方』をする人」であり、それでいて自分の目標はちゃんと達成する人です。

もちろん、ストレスはありません。

あってもそれは人と競争したり、意地になって衝突したりするたいぐいのものではありません。

わたしたちが日ごろ感じるストレスの多くは、人間関係を、勝つか負けるかという次元でとらえてしまうことから生じています。

ですから、この人たちはもともとストレスの溜まらない生き方を選択している人といえます。

「争うのが嫌いな人」はだれでも、自分のペースを守ってゆったり生きたいと考えるはずです。

そのとき必要となってくるのは、「わたしにはいま、やることがあるんだ」と気がつくことではないでしょうか。

どんな人にも、たったいま、この瞬間にも「やること」があります。

あるいは「できること」があります。

その「やること」や「できること」に着手するのが、マイペースで生きるための最良の方法になってくるはずです。

マイペースを守れない人は、自分の「やること」や「できること」よりも、他人の動きやことばに目を奪われてしまいます。

「みんなして遊んでいるな」と思えばそっちが気になり、「あいつ飛ばしているな」と思えばそっちを追いかけようとします。

あなたが友人とお茶を飲んだり、同僚とおしゃべりしているときに、「やることがあるから」と笑顔で立ち上がる人間に対してどんな気持ちになりますか。

「つき合いの悪い人だ」と腹を立てるのは争いの好きな人でしょう。

ものごとが自分の思うように進まなければ面白くないというのは、わがままな対人関係をつくることになるからです。

争いの嫌いな人はむしろ、「いいなあ」と思うはずです。

「この人みたいにマイペースでやっていけたらいいなあ」と思うのではないでしょうか。

やることがあるときには、そのスタートは自分で切る。

それがとても気分のいいことだと気がつくはずです。

『自分は自分人は人 争わない「生き方」 』新講社ワイド新書


「私には夢がある」(I have a dream)

この言葉は、1963年、キング牧師が人種差別の撤廃と自由と平等の実現を呼びかけ、切々と夢を語った演説の中の一節。

アメリカ合衆国での最高の演説の一つ、といわれている。

自分の夢があり、それを追いかけている人は、人と比べることをしない。

たえず他人と比較ばかりしている人は、常に相手が主体なので、人にふりまわされる。

結果として、自己嫌悪に陥ったり、逆に優位性を感じ高慢になったりする。

争わない生き方は、「自分にはやることがある」と気づくこと。

「自分は自分、人は人」と、争わない生き方をしてみたい。



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