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2013.10.4

自分の笑顔が先

小林正観氏の心に響く言葉より…

これまでの人生で12万件の人生相談を受けてきました。

今までは、自分の問題の相談ごとが多かったのですが、最近は、他人の問題を挙げる人がとても多くなりました。

他人の問題とは、「夫が…」「妻が…」「姑(しゅうとめ)が…」「舅(しゅうと)が…」「子どもが…」「職場の人が…」「友人が…」といったものです。

これらは、相談という形をとっていますが、他人が思いどおりにならないと思い、自分以外の人を思いどおりにするにはどうしたらいいかと言っています。

自分が笑顔でないのに、「家族が笑顔を見せず、不機嫌だ」と言う方が結構いらっしゃいます。

ほとんどが「子どもが不登校で…」「家族が楽しそうでない」という話です。

相談する方のほうが、とても暗い顔で、まったく楽しそうではありません。

そのような方に対し、「そう言っているあなたも、楽しそうではありませんね」と言います。

すると、理由はさまざまですが、「○○なので、楽しい顔にはなりません」という答えが返ってきます。

しかし、因果関係がすべて逆です。

「上司が厳しい」「子どもが言うことを聞かない」「舅が…」という問題は、すべて相談する側が明るく楽しそうな顔をしていません。

口から出る言葉のほとんどが、問題をあげつらうだけの話題ですから、なるべく近寄ってほしくないと思います。

近寄ってほしくないので、反発されたり、いやみや厳しい言葉を言われたりして、言われたことを素直に聞こうという気にはなりません。

いつも明るい顔をして、楽しそうにしていたら、みんなが近寄ってきて、同じように笑顔になっていきます。

月曜日はカルチャースクール。火曜日は書道。水曜日は水泳教室。木曜日は料理教室。土・日は友人と温泉旅行へと出かけ、とことん楽しみます。

目の前に立ちはだかって、暗い顔をしたり、愚痴ばかり言っていたりしたら、相手が笑顔になることはありません。

自分自身がいつもニコニコと笑い、毎日楽しそうに過ごしていたら、状況も変わってきます。

『脱力のすすめ』イースト・プレス


昨今は、中小企業や商店の後継者不足が問題になっている。

その大きな原因の一つは、親が楽しそうに仕事をしていないこと。

親が日頃、仕事に対して不平不満をいい、つまらなそうな顔ばかりしていたら、子どもが跡を継ぐわけがない。

そして、大事なことは、それが偽(いつわ)りの楽しさだったら、子どもにはすぐに見抜かれる。

心底楽しんで仕事をする人は、つらいことも、嫌なことも、苦労もすべてさらけ出してなお、好きで楽しいという気持ちがにじみ出ている。

発する言葉や態度には、時として自分を偽り、飾ることがある。

しかし、その人の実際の具体的行動には、嘘はない。

「楽しく一生懸命やってます」と言う人が、毎日遅刻したり、ダラダラと嫌そうに仕事をすることなどないからだ。

人を変えようとするよりも、まず自らが、感謝の気持で楽しく生きること。

本当の気持ちは、物言わずとも伝わる。



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