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2013.9.19

座談の名手

高嶋秀武氏の心に響く言葉より…

仕事でもプライベートでも何人かが集まって話をする機会は多い。

こうした座談の場での鉄則は、「のけ者を出さないこと」、これに尽きる。

例えば会議などの席で、部長の顔ばかり見て話をする人がいる。

なんとか部長に決裁を出してもらいたいという一心なのかもしれない。

しかし、部長一人に向ってばかりしゃべっていたのでは、その場にいる他の人が疎外感を覚えてしまう。

言葉の切れ目切れ目に課長や係長にも視線を送って同意を求めたり、

「君のような若い人から見ると、この企画はどうかな」

などと平社員にも意見を求めるようにするとよい。

これだけで出席者全員に疎外感を感じさせない。

人間は無視されるのが一番こたえる。

OLに社内いじめに関するアンケートをすると、一番イヤないじめは「しかと」、つまり無視されることだという。

昼食時に誘ってくれない、話しかけても返事をしてくれない、こうした意識的な無視が一番精神的にこたえる。

座談の名手になるためには、まずその場の出席者をさり気なく見る。

そして、つまらなそうな顔をしている人を見つけたら、話の切れ目をつかまえて、

「そう言えば、鈴木さんも釣りをよくなさるんじゃなかったでしたっけ」

などと相手が得意な話題をふってみる。

こうして出席者全員が会話に参加している意識を持てれば、座は相当盛り上がり、

「いや、今日は楽しい会だった」

といい印象を残すことができる。

当然、心証もグッとよくなる。

座談では自分ばかり目立つのは禁物。

しゃべるのはストレス解消になるし、けっこう気持ちのいいものだが、自分だけ気持ちがよくなってはいけない。

まわりの顔と気分を見ながらが基本。

何事も一緒で、ひとりよがりはろくなことがない。

『話のおもしろい人、つまらない人』PHP文庫


自分が今最も聞いてもらいたいことを、質問されることほど嬉しいことはない。

人は自分の得意なことを話したくてウズウズしているのだから。

そのためには、会議や座談に出席する人の最新の情報を知っておく必要がある。

それは、初めて行く会社の情報を全く知らずに訪問したら、営業がうまくいかないのと同じこと。

つまり、座談の名手は、気配りができる。

座を盛り上げる、座談の名手でありたい。



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