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2013.9.15

夢を見て挑戦する

岡本太郎氏の心に響く言葉より…

日本では、欧米以上に若い人が甘やかされている。

学生だ、まだ子供だと甘やかされているうちに、つい遊んでしまう。

だから本当の人生の勉強ということや、自分が本当に勉強したいということをあまり勉強しない。

むしろそんなことをするよりも、学生時代には学生時代の形式的な勉強さえしていればよいというふうに考えている。

人生については、いずれ学校を出て、実社会に出てからにしようとなどと思っている。

そして実際に実社会に出てしまうと、会社とか勤め先では人生的な勉強をする必要は全然ない。

会社内の事情に一応明るくて、上役、同僚と、いずれくる後輩という人間関係さえ適切に処理すれば事は足りる。

だから自分は何か生き甲斐を、などと考えるのはバカみたいに思える。

会社は忙しいし、夜帰ってくると疲れてしまう。

大体においてここで人生を諦める。

よけいな本を買って、形而上学的な問題を考えたって腹の足しにもならない。

それよりもゴルフでも上手になろう、などと考えて、ストップしてしまう。

夢を見ることは青春の特権だ。

これはなにも暦の上の年齢と関係ない。

十代でも、どうしようもない年寄りもいるし、七十、八十になってもハツラツとして夢を見つづけている若者もいる。

だから年齢の問題ではないが、青年の心には夢が燃えている。

だが、そういった夢を抑圧し閉ざしてしまう社会の壁がこの現代という時代にはあまりにも多すぎる。

ぼくは口が裂けてもアキラメロなどとはいわない。

それどころか、青年は己の夢にすべてのエネルギーを賭けるべきなのだ。

勇気をもって飛び込んだらいい。

夢に賭けても成功しないかもしれない。

そのとき、ああ、あのとき両親のいうことを聞いておけばよかったと悔やむこともあるかもしれない。

でも、失敗したっていいじゃないか。

不成功を恐れてはいけない。

人間の大部分の人々が成功しないのが普通なんだ。

パーセンテージの問題でいえば、その99%以上が成功していないだろう。

しかし、挑戦した上での不成功と、挑戦を避けたままの不成功とではまったく天地のへだたりがある。

挑戦した不成功者には、再挑戦者としての新しい輝きが約束されるだろうが、挑戦を避けたままでオリてしまったやつには新しい人生などはない。

ただただ成り行きにまかせてむなしい生涯を送るにちがいないだろう。

それに、人間にとって成功とはいったい何だろう。

結局のところ、自分の夢に向って自分がどれだけ挑(いど)んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。

夢がたとえ成就しなかったとしても、精いっぱい挑戦した、それで爽やかだ。

『自分の中に毒を持て』青春出版


1860年生まれのアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(通称グランマ・モーゼス)さんは、アメリカ人なら誰もが知る国民的画家だが、75歳を超えて初めて本格的に絵を書き始め、101歳で亡くなるまでに1600点もの作品を残したという。

今年101歳で亡くなった柴田トヨさんは、92歳から詩を書き始め、詩集『くじけないで』はなんと、160万部を記録した。

夢を見ることは尊い、が、しかし、ただ見ているだけでは事は何も起こらない。

そこには、行動という一歩が必要だ。

「私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある」(本田宗一郎)

何回失敗しようと、そのたびに、そこから起き上がる人でありたい。



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