2013.8.20 |
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小さなハッピー
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飯野晴子氏の心に響く言葉より…
「舌切りスズメ」という昔話をご存知でしょうか?
このお話のなかに、親切にしてくれたおじいさんへの恩返しに、スズメが「大きいつづら」と「小さいつづら」のどちらかをお土産に贈るシーンが出てきます。
やさしくて謙虚なおじいさんは小さいほうのつづらを選び、冷たくてよくばりなおばあさんは大きいほうのつづらを選びます。
すると、結果的に小さいほうからは宝物が、大きいほうからは妖怪や気味の悪い虫が出てくる…。
読む人によっていろいろな教訓が含まれたストーリーですが、私がこのお話から学んだのは「本当のハッピーは小さなもののなかに隠れている」ということです。
私たちはふだん、ついついよくばって「大きなハッピー」ばかりを目先に追い求めてしまいます。
けれども、実際の幸せは、毎日の暮らしのなかのちょっとした楽しみや喜びを積み重ねた先にこそ訪れる。
ささやかなことでかまいません。
どれだけ「小さなハッピー」を見つけられるか、ということです。
以前、若い友人達にこの話をしたところ、さっそく次の日から、彼らは自分の見つけた「小さなハッピー」をその都度私に知らせてくれるようになりました。
「思わず“ジャケ買い”したCDが全部とってもよかった」「ファストフード店でスピードくじを引いたら、フライドポテトが当たっちゃった」「大好きなお菓子の新しい食べ方を見つけた」…などなど、なんでも。
一つひとつは小さなことかもしれません。
でも、1日を振り返って「何もなかった」と言うより、たとえ小さくても「こんなうれしいことがあった」と笑顔で言えるほうがずっと素敵だと思いませんか?
同じことでも「くだらない」や「別にうれしくもない」と思うのと、「ラッキーだな」と喜ぶのとでは後者のほうがずっとおトクです。
少し下品な言葉でいえば、「ただではころばない」ということでしょうか。
この「ただではころばない」精神が毎日を楽しくしてくれる秘訣だと私は思います。
だから、「小さなハッピー」をないがしろにしない。
小さな喜びを愛(いと)おしみ、感謝する気持が、また次のハッピーを呼んできてくれる。
そう信じています。
『飯野さんって、どうしてそんなに運がいいんですか?』サンマーク出版
飯野晴子さんは、大学卒業後、25歳で結婚し二人の娘を出産したが、35歳の時に離婚したことをきっかけに、経済的な必要にも迫られ、生まれて初めて就職した。
2度の離婚、シングルマザー、仕事と子育ての両立などなど、さまざまな苦難を乗り越え、70歳を迎える今も現役で活躍し、「広告界のビッグママ」と呼ばれている。
また、中尾ミエ、小室知子、加藤タキとともに「女性らしい自然な生き方」を志すチーム「ソルトンセサミ(ごま塩頭=白髪をそめない)」を設立し、活躍している。
「神は細部に宿る」という言葉がある。
「細かな部分ほど、疎(おろそ)かにしない」、「小さな部分こそが全体を決める」、ということだが、「小さなハッピー」も同じこと。
「神は小さなハッピーに宿る」、と言ってもいい。
大きなハッピーばかりをのぞみ、小さなハッピーを疎(うと)んじる人は、結局はハッピーを手に入れることはできない。
当たり前の日常の中で、小さなハッピーを毎日見つけたい。 |
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