2013.7.31 |
|
終わりよければすべてよし
|
|
酒井穣氏の心に響く言葉より…
「ピーク・エンドの法則」
(終わりよければすべてよし)
ノーベル経済学賞の受賞者である、ダニエル・カーネマン教授が発表した理論で、人間は、過去の経験を「ピーク(最良または最悪)」と「エンド(どのような終わり方をしたか)」によって判断しているというものです。
たとえば1週間の家族旅行をしたとして、家族の旅行全体への印象は「最良の思い出(または最悪の思い出)」と「旅行がどのように終わったか」の二つによって決まってしまうということです。
これは…結構、怖いことですね。
その他の経験の情報は、脳内から消えていたりはしないのですが、経験全体の印象の決定(判断)にはその他の情報は「使われない」というところが重要です。
直感的には「すべての経験の総和」が、その経験の「印象」のように思われますが、これは間違っているということです。
「終わりよければすべてよし」とはよく言ったものですね。
この考え方から、顧客先での商品プレゼンテーションや各種の研修などでは、その始まり方よりも、むしろ終わり方にこそこだわるべきという視点が得られます。
ただしこれは、全体の印象に関する考え方であって、仮に終わり方が優れていたとしても、そもそも中身がともなっていなければどうにもなりません。
とはいえ、こうした印象が、その後のビジネスの進めやすさに影響を与えることを知っていれば、何事もいかに始めるかではなく、いかに終わらせるかが重要であることが見えてきます。
「見せ方」もコミュニケーション能力の一部であるとするならば、「ピーク・エンドの法則」は知っておかねばならない概念でしょう。
『ビジネスでいちばん大事な「心理学の教養」』中公新書ラクレ
公の立場にある人、これは国の政治家や市の公職というレベルだけでなく、PTAとか町内会などでも同じだが、一番大事なことの一つが出処進退だ。
出ることや進むことが大切なのはいうまでもないが、それにも増して大事なのが退くとき。
辞める時期をあやまったり、潔さがなかったりすると、品が無くて醜い印象しか残らない。
スポーツの試合などでも、終わってからのコメントが強烈に印象に残る。
負けたときのスピーチが、いつも他人やまわりのせいにしているのなら、どんなに能力があり人気のある選手であっても、やがてファンは離れていってしまうだろう。
「終わりよければすべてよし」
最後の最後まで気を抜かず、ベストを尽くしたい。 |
|
|