2013.6.27 |
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ディズニー白熱教室
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「ディズニー白熱教室」の中から、心に響く言葉より…
ディズニー白熱教室とは、フロリダのディズニー・ワールドで世界各国の学生を対象に行なわれる、ディズニー流の働き方や仕事のエッセンスを詰め込んだ研修プログラム(ディズニー国際カレッジ・プログラム)のことです。
大学のような教室での授業と、現場での実践が組み合わされています。
ディズニーでは、禁止事項の決め事は驚くほど厳格です。
寮でのルール、働く上でのルール、休日のルール、時間のルールなどが細かく決まっており、事前に書面で渡されます。
それを読んだ上で、合意した証としてサインをします。
いったんサインをすれば、それは厳格に運用されます。
たとえば、ディズニーの寮で生活していく上でのルール。
ディズニーでは学生は全員、専用の寮で生活しますが、寮での喫煙は禁じられています。
もし、それを破れば、有無を言わさずプログラムを終了して、ただちに自分の国に帰国しなければなりません。
未成年の飲酒、ドラッグ、深夜1時以降に訪問者を招くことも同罪です。
一度違反すれば即座に強制終了。
プログラムはそこで終わり、将来も一切、ディズニーのプログラムに参加する資格はありません。
一方、寮の門限の違反、無断欠勤、遅刻などに関しては、サッカーで言うイエローカードのような書面を渡されます。
そこには、あと何回で強制終了か書かれており、渡された学生は震え上がります。
ディズニーの楽しさとキャストに対するルールの厳しさは相反するように見えるかもしれませんが、決して矛盾するものではありません。
このような厳しい環境に身を置くことで、ディズニーの白熱教室に参加した学生たちは、ルールを守る習慣、自分を律する精神が身につきます。
さらには、この厳しいルールは意外にもキャストたちが互いに気持ちよく働くためにあると言えそうです。
たとえば、ディズニーではさまざまな人種、文化、価値観を持った人たちが働いています。
衛生観念、時間の概念、安全の概念も違います。
そうした人々の集団に対して、漠然として規則を適用して働かせたら一体どうなるでしょうか。
「アトラクションの説明担当者が寝坊してまだ来ない」
「ゲストに対する安全確認にバラつきがある」
「ハンバーガーを焼きかけたのに別の用事で持ち場を離れてしまった」
「もう交代時間なのに、次の担当者が現れない」
こんな人が続出するかもしれません。
ディズニーでは、仕事が安全に、またスムーズに回っていく上で必要なことはルールとして細かく決められ、厳格に適用されるため、トラブルなく仕事が進んでいくわけです。
厳格にルールを運用する一つの目的は、「決められたルールはみんなが守る」ことによってキャスト同士が互いに信頼し合える関係をつくり上げるためです。
みんなが時間を守り、決められたルールを守ると互いに信じ合っているから、どのキャストも安心して仕事ができます。
交代要員がちゃんと来てくれるか不安だったら、ゲストに対していつもにこやかな笑顔などしていられないでしょう。
最初はルールの厳しさに不満を持つ学生も少なくありませんが、実際に多種多様な国のキャストとつき合ううちに、ルールが甘ければ無法地帯になりかねないと、次第に納得できるようになります。
『ディズニー白熱教室 「仕事で大切なこと」を知る授業』三笠書房
ディズニーの企業理念は、
「ゲスト(お客様)に素晴らしい夢と感動、喜び、安らぎを提供する」こと。
ディズニーでは、従業員のことを「キャスト(出演者)」と呼んでいます。
ウォルト・ディズニーは「ディズニーランドはショーである」という言葉を残しています。
従業員たちは、テーマパークという一つの舞台(ステージ)の上で来場者(ゲスト)を楽しませる、エンターティナーであり、パフォーマーである。
そんなニュアンスを感じ取れるのが、このキャストという言葉です。
以上(同書より)
感動の舞台をお客様に見てもらうには、俳優達は血のにじむような稽古を繰り返す。
そして一流の俳優は、舞台では、その苦しかった稽古の片鱗も見せることはない。
出演者たちが、厳しいルールや決まりごとを守っているからこそ、華やかな舞台ができあがる。
つまり、一人ひとりが自分を律することができる自立した大人であるということ。
真の大人だけが人を楽しませることができる。 |
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