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2013.6.8

先縁尊重

致知出版、藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…

「人生で大事なものは何か」

たくさんの人たちの答えを一語に集約すると、

「先縁尊重(せんえんそんちょう)」

という言葉に表現できると思います。

原点の人を忘れないで大事にするということです。

例えばAさんからBさんを紹介され、Bさんと大変親しくなり、Aさんを忘れてしまう。

挙げ句は無視したり、不義理をする。

そういう原点の人を大事にしない人は運命から見放されてしまう、ということです。

私の知っている経営者にこういう方がいます。

その人は丁稚(でっち)奉公に入った店の主人から、ある日突然、理不尽に解雇されたにもかかわらず、毎年正月に、その元主人の家に年始の挨拶に行くことを欠かさなかった、といいます。

普通なら恨みに思っても不思議はないところですが、自分がこうして曲がりなりにも商いをやっているのは、その元主人が自分に仕事を教えてくれたおかげだという原点を忘れなかったのです。

この人はまさに先縁尊重を実戦した人です。

この人の会社が創業44年、なおも隆盛しているのは、この精神と無縁ではないと思います。

先縁の原点は親です。

親がいなければ、私たちは誰一人この世に存在していません。

その親を大事にしない人は、やはり運命が発展していきません。

親は、いわば根っこですね。

根っこに水をやらなければ、あらゆる植物は枯れてしまいます。

親を大事にするというのは、根っこに水をやるのと同じです。

「父母の恩の有無厚薄を問わない。父母即恩である」

と西晋一郎先生はいっています。

まさに至言です。

この覚悟のもとに立つ時、人生に真の主体が立つのだと思います。

そして、その親の恩をさらにさかのぼってゆくと、国というものに行きつきます。

この国のあることによって、私たち祖先はその生命を維持継承してきたのです。

即ち、国恩です。

国恩あることによって、私たちはいまここに、生きています。

最近はこの“国の恩”ということを意識する人が少なくなりました。

そういう国民は発展しないと思います。

いま日本に確たるものがなく、漂流しているがごとき感があることと、国恩という言葉も意識も薄れていることとは無縁ではないと思います。

『生きる力になる言葉』致知出版社


中国の「大学」の中に、

「物に本末(ほんまつ)有り。 

事に終始(しゅうし)有り。

先後(せんご)する所を知れば、則(すなわ)ち道に近し」

の一文がある。

物には「本(もと)」と「末(すえ)」があるということ。

事には始めと終わりがある、ということ。

何が本で、何が末か。

何が始めで、何が終わり(最後)か。

その順序を間違えると、あらゆる事はスムーズに運びませんよ、ということです。

(以上、同書より)

我々は本という原点忘れてしまうと、常に右往左往しなければいけない。

「木を見て森を見ず」のように、枝葉を見て、本質を見ようとしないからだ。

どんな事象にも根っこはある。

それが「先縁」という最初に結んだ縁。

歌にもあるように、「義理が廃(すた)ればこの世は闇」だ。

人の縁、親の縁、国の縁…

すべての「先縁」を大事にしたい。



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