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2013.5.20

水に流す

グレゴリー・クラーク氏の心に響く言葉より…

奇妙なことに、日本や日本人のことになると外国人は勝手気ままに、これを批判するようになった。

たとえば、イタリア人はみんな臆病だ、とか、すべてのドイツ人はサディストであるなどと活字で表現することにはかなりの躊躇を感じるはずである。

ところが、どういうわけか日本人に対しては、どのように奇想天外な批判をしても、意外とされないし、非難もされない。

日本人は凶暴な軍国主義者である、ユーモアをまったく解さない、経済帝国主義者である、天皇崇拝者である、等々の批判が、論文や書物で一刀両断のものになされているが、これらに対する反論はまったく存在しない。

たとえばデラシュス(フランス人ジャーナリスト)は、日本には戦闘的ナショナリズムの復活の兆しがみえる、と主張している。

何を証拠にそういっているのか。

1968年、サイゴンにおける攻防戦の渦中に巻き込まれた日本人が食料を断たれたことがあるが、このことについて日本の新聞が一時大騒ぎしたことを証拠としているのである。

だが、日本の新聞を読んでみればすぐわかるように、日本人は、在外日本人に起きた災難を心配するよりも、外国で無神経に行動し、外国人の顰蹙(ひんしゅく)を買っているとされる日本のビジネスマンや観光客について苦々しく思うことが多い。

日本は、あたかもボクシングのサンド・バックよろしく、偏見を抱く外国人のはけ口の対象として、あらゆる方向から非難されている。

これに対し日本人はしばしば、彼らの言い分にも多少の真実はあると思い、自分たちのいまだ気づかなかった民族的弱点を外国人が見つけ出したのだ、と考える。

ただ、非難があまり的外れになると、耳を貸さないだけの話である。

これに対し、中国人は、イタリアの映画監督アントニオーニが中国にも欠陥があるということを匂わせるような作品を作っただけで、激しい発作的な反論と激怒を示したのであった。

日本人は、中国以上にとはいわないまでも、同じ程度に自らの作り上げた社会を誇りに思ってよいのに、ただ黙して容赦しているのである。

たまに、日本を知っている外国人の批判が日本の公式な立場に向けられると、政府がこれに反論を試みることがあるが、それ以上のことはない。

『日本人ユニークさの源泉』サイマル出版会


他国の日本批判を必要以上に気にし、それを大きく報道するのが日本のマスコミの特徴だ。

日本人は批判に対して自虐的になりやすいが、他の国々は、自国が悪く言われたら必ず反論するという。

日本には、「水に流す」という文化がある。

過去に起こったいざこざや、トラブルなどをすべてなかったことにする、という考え方。

責任が追及されず、なあなあになってしまうという悪い面もあるが、他人を責めずに許すという、争いを好まない日本の素晴らしい文化の一つとも言える。

他人を責め批判すれば、いつかそれは自分に返ってくる。

自虐的にならず、密かなプライドは持ちたい。



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