2013.5.19 |
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人から信用されるには
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齋藤孝氏の心に響く言葉より…
【その義を正しくして、その利を謀(はか)らざれ】「小学」(外篇 嘉言)
「義」を行い、それによって自分が利益を得ようと思う下心があってはいけない。
「義=人としての正しい行い」と「利=利益」なら、「義」を優先させろということだ。
もちろん、大きな深い意味での「利」は常に考えている必要があるが、まずは「義」を優先することが大事である。
普通、利益といえば自分が得することを考える。
しかし、宮沢賢治は、遺作『雨ニモマケズ』のなかで、「ジブンヲカンジョウニ入レズニ(自分を勘定に入れずに)」と書いている。
それは、利益というものから自分を外して考えるということだ。
そして、「ミンナニデクノボウートヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ、サウイウモノニ ワタシハナリタイ(みんなにでくの坊と呼ばれ 褒められもせず 苦にもされず そういう者に 私はなりたい)」と書いている。
結局、利益から自分を外して考えられる人は信用され、「彼に任せてみよう」「彼はズルをしないからお金をまかせて大丈夫」と、一つひとつ小さなところから信用を得ることになる。
それが積み重なって、大きな信用につながっていく。
こう考えてみればどうだろう。
「自分は常に周囲の人たちから、“自分の利益ばかり考えて行動する人間かどうか”を試されている」と。
自分を勘定に入れずに行動していれば、たとえ、でくの坊に見えても、大きな仕事を任されるはずだ。
そう考えれば、正義を行なうことは、結局は自分の利益と矛盾しないということになる。
『「座右の銘」が必ず見つかる寺子屋の人生訓』小学館
昨今、出世するということにあまり興味を示さない人たちは多いが、齋藤孝氏は、この出世についてこう語る。
「“出世する”とは、私は「自分を信用してくれる人が増えること」だと考える。
出世を望まない人はいても、信用のない人間になりたいと思う人はいないだろう。
出世するとは、人から「あいつになら任せられる」「あいつに頼みたい」と、自分の信用をアップしていくチャンスでもある。
出世意欲がそれほどではないのに、どんどん出世していく人を見るがいい。
公私ともに信用をコツコツ築いている人物ではないだろうか」(同書より)
会社だけでなく、色々な会でリーダーに祭り上げられる人は、自分の利よりも先に、公の利を先に考える人だ。
自分の損得がギラギラと出てしまうような人は信用がない。
セールスなども同じで、売りたいという気持ちがミエミエの人からは誰も買わない。
「先義後利」(荀子)
道義を先に行い、利益は後回しにすること。
自分を勘定にいれず、人の利を先に考える人でありたい。 |
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