2013.5.8 |
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突然のひらめき
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渡部昇一氏の心に響く言葉より…
「内部から閃いて自らの精神を照らし出す光に目をとめ、注視しなければならない」(エマソン)
エマソンは、日々散歩をしながら頭に浮かぶ考えを日記に克明に記しました。
ここに掲げた言葉は、そうした「ぽっとしたアイデア」を軽んじず、目をとめて考えてみることが重要だと教えています。
エマソンは閃光(せんこう)のようにパッと浮かび上がる思いつきを大切にしました。
そして、それが何を意味するのかを自らの魂に探り、考えを少しずつ深めていきました。
多くの人は、「あっ」と思いついたことがあっても、それをすぐに忘れてしまいます。
しかし、実はそのピカッと一瞬光ったものの中に、生きるうえで大切な示唆が潜んでいることがあるのです。
だから、それを忘れないように、すぐにメモしておく。
決して「くだらない思いつきだ」とは思わないで、「このひらめきの中には、何か大切なヒントが隠れているのではないか」と考える習慣を身につけるようにすると、人生が変わってくるのです。
松下幸之助の有名な話があります。
ラジオの販売競争が激しくなってきたとき、松下幸之助はふっと「値段を半額にしたらどうだろうか」と思いつくのです。
1割や2割のコストダウンなら、誰でも考えつきます。
それは既成概念というものですし、工夫して値段を下げることも可能でしょう。
ところが、半額となると少々工夫したところで実現できません。
それは物事の根本にふれる問題です。
だから、普通の人は、思いついたとたん、「ばかばかしい。そんなことはできっこないな」と、その考えをすぐに捨ててしまうのです。
ところが、松下さんは、その思いつきを実行に移しました。
そして、見事成功するのです。
「天の一角から、ひらめくものがあった」とよくいわれますが、おそらく、あらゆる成功者に共通するのは、この「ぽっと頭に浮かんだひらめきを大切にする」という姿勢を持っているところでしょう。
それを実行に移して成功したという話をよく聞きます。
とりわけ、リーダーにはひらめきが欠かせません。
理屈で考えているだけでは常識の範囲内に収まってしまい、飛躍がありません。
学問でも事業でも、それでは発展していかないのです。
突然のひらめきが人や事業を飛躍させる。
つまり、ひらめきは成功の鍵になるのです。
では、何が人にひらめきをもたらすのでしょうか。
ひらめきの条件は、いつも絶えず考えていることです。
科学者が自分の直面している問題を絶えず考えている。
しかし、いくら考えても答えが出ないという状態で、気分転換でもと散歩をしたり、入浴したり、あるいは眠りについているときに、ふっと答えが浮かんできたという話をよく聞きます。
アルキメデスの原理の発見にも、風呂に入って湯があふれ出したのを見た瞬間にひらめいたという有名な逸話があります。
大事業家の伝記を読んでも、寝ても覚めても考えていて、ふとした瞬間に事業を飛躍させるヒントが浮かんできたという話がしばしば出てきます。
エマソンがいっているのは、そういうことなのです。
成功の原理はほんの思いつきから生まれることがある。
だから、ないがしろにしてはいけないというわけです。
『エマソン 運命を味方にする人生論』致知出版
革新的なアイデアを思いついたが、とてもできそうにないと思ってそのままにしておいたら、全く同じことを誰かが実行して大成功した…
だが、「本当は、私も同じことを考えていたんだ」、という話はよく聞く。
どんなに素晴らしいアイデアであっても、自分で実行に移さなければ、思いつかなかったのと同じだ。
アイデアと実行はセットになっている。
事業でも、科学でも、芸術でも、学問でも、他に比べようのない独創的なアイデアの有無が成否を分ける。
寝ても覚めても、アイデアを考え、それを実行に移したい。 |
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