2013.4.11 |
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ボーッとすること
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小林正観さんの心に響く言葉より…
強靭な精神力とは、「ボーッとすること」「ピリピリしないこと」という話を以前本に書きました。
「ニコニコしているのは難しいのですが」とか、
「子どもに対してイライラしたくないけれど、ついイライラしてしまう。どうしたらいいですか」
という質問をよく受けます。
しかしそういう質問をすること自体、どこかがおかしい。
イライラしてしまうのは誰ですか?
イライラしないですむのは誰ですか?
「私です」
「じゃあ他人にはどうしようもありませんね」
というのが私の答え。
私は、優しい母親になってくださいとお願いしているのではありません。
単に仕組みを話しているだけです。
自分の考えや行動を改めるつもりはないけど、不愉快な部分だけ取り去ってほしいというのは無理な要求。
自分が自分を律するしかない。
第三者には何もできない。
「腹を立てるのが好きで、周りや子どもに背かれるのが好きならどうぞ」と言うしかありません。
「強靭な精神力」を持つには、「ボーッとすること」です。
「神経を張りつめて何ものもはね返すこと」ではないのです。
ガードをすることでもなく、自分の周りを自分の好みどおりにつくり変えることもない。
闘って状況を変えることが“強靭”なのではない。
傷つきたくなくて、ガードしている人は、弱いのかもしれません。
バカにされても、傷つかない人が、一番強い。
メンツ、プライドを傷つけられても、笑っていられるのが強い人であり、そのためには損得勘定で、一喜一憂しない自分になればよいのです。
孫子の兵法に、
「百戦百勝は、最善なるものにあらず」
というものがあります。
なぜ百回も戦うのか。
賢い武将は一度も戦わない。
本当に優れた武将とは、敵をつくらず、一度も戦わない人のこと。
ピンと張っている糸は、刀で簡単に切ることができますが、だらんとしている糸を刀で切ることはできないのと同じです。
ちゃんとしなきゃ、と思っている人は、実は弱いのです。
誰かに何か言われるとすぐにつらくなって落ち込んでしまう。
『この世の悩みがゼロになる』大和書房
行徳哲男師は、人間の魅力は「素・朴・愚・拙」の四つの言葉で表すことができる、という。
素とは、飾らない魅力。
朴とは、泥臭い朴訥とした魅力。
愚とは、自分を飾らずバカになれる魅力。
拙とは、不器用でヘタクソだが一途な魅力。
「素朴愚拙」の人は、ボーッとしていて、時に間抜けな愚か者のようにも見える。
本当に強い人は、いつもハリネズミのようにピンと神経を張りつめ、戦いにあけくれる剛(ごう)の人ではなく、どんな非難や攻撃も、フラフラ、ヒョロヒョロと受け流すボーッとした柔(じゅう)の人。
剛ではなく、柔。
鋭ではなく、鈍。
賢ではなく、愚。
周囲と闘っても、まわりの人を変えることはできない。
時に、ボーッとすることも必要だ。 |
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