2013.4.2 |
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人と違ったことをやればいい
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植西聡氏の心に響く言葉より…
幕末の思想家、佐久間象山(しょうざん)は、今でいうユーモアを口にするのが大好きな人で、あるとき、その象山のもとへ小料理屋の主人が訪れ、こんな相談を持ちかけてきたことがありました。
「先生はものすごく博学な方だと聞いています。
その先生に折り入って相談ですが、どうすれば金持ちになれるでしょう。
秘訣みたいなものがあったら、教えてもらえませんか?」
すると、象山は小料理屋の主人に向って、こう答えました。
「簡単なこと。歩くときに四つ足で歩いてごらん」
象山からこういわれた主人が、
「先生、私に犬のマネをしろというのですか」
と興奮気味に言葉を返すと、こんなやり取りになったのです。
「頭の固い奴だな。
冗談もわからんのか。
要するに、人と違ったことをやればいいのだ」
「人と違ったことって、たとえば、どんなことをですか?」
「おまえさんのところは料理屋なのだから、たとえば魚料理に西洋のお酒を混ぜるとか、ウドンを煮て出すのではなく、油で炒めて出すとか、そういうことを考えなさいといっているのだ」
「いくらなんでも、それは危険すぎます。
そういう斬新な料理を出しても、お客が注文してくれなかったら、店は大赤字になってしまいます」
すると、象山はこういったのです。
「じゃあ、金持ちになるのはあきらめることだな。
商いというものは安心・安泰の要素と、危険・不安の要素で成り立っているが、金の成る木というものは、後者のほうに潜んでいる場合がしばしばあるのだよ」
『大事なことに気づく 賢者が教える25の物語』KKベストセラーズ
商売は、人と違ったことをやらなければ生き残れない、とはよく言われる話だ。
長年商売をやっている者なら、生き残るためのいくつかのアイデアは持っているものだ。
だが、「失敗するかもしれない」とか、「他に誰もやっていない」とか、「まだ早すぎる」とか言って、往々にして実行までは踏み切らない。
結局、成功者とそうでない者の違いは、思ったことを、やるか、やらないか、だ。
「商いというものは安心・安泰の要素と、危険・不安の要素で成り立っている」
危険や不安を恐れず、新しいことにチャレンジしたい。 |
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