2013.3.28 |
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いい習慣と悪い習慣
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佐藤富雄氏の心に響く言葉より…
ドイツのレーゲンスブルグ大学ケンペンルマン博士らによる、マウスの実験報告がある。
ケンペルマン博士らのグループは、標準的な飼育ケースをふたつ用意して、一方の飼育ケースには遊具である「回し車」を入れ、もう一方のケースには何も入れず、それぞれマウスを飼育した。
当然ながら、一方のマウスは毎日遊具で遊び、もう一方のマウスはとくに何をするでもなく、のんびりと暮らすことになる。
そうすると、日頃から回し車で遊んでいたマウスの脳内に、驚くべき変化が見られた。
なんと、何もしなかったマウスに比べて、おそよ2倍もの新しい神経細胞(新生ニューロン)が生まれていることが確認されたのである。
また、回し車でなくとも、飼育ケースにトンネルや階段を設置するなど、豊かな生活環境で過ごしたマウスも、何もしなかったマウスに比べて60%も新生ニーロンの数が増えることが確認された。
こうした研究結果から、脳を成長させる新生ニューロンは、外からやってくる何らかの「刺激」によって、自在に増やすことができることが明らかになってきたのである。
あなた自身の毎日はどうだろうか?
やる気も活力もなく、何年も単調なマンネリ生活が続くと、どうしても脳に入ってくる「刺激」は減っていく。
これは、遊び道具の入っていない飼育ケースで育つマウスのようなものだ。
しかし、どんな年齢になっても、脳に「刺激」を与えてやれば、新生ニューロンはどんどん増えていくのである。
その「刺激」こそが「感動」なのだ。
感動で重要なことは、その刺激はあくまでも「予想もしなかった」ものでなければならい、という点だ。
つまり、「予定外」や「想定外」の刺激でなくては、感動とはならないのである。
脳にとっての感動とは、「予定外報酬」のことなのだ。
あらかじめ答えのわかっている報酬については、なかなか感動をともなわない。
そこで、
「習慣とは、結局のところ新たに同じことを繰り返すということではないのか?」
という疑問が生ずる。
たしかに、習慣とは繰り返しの作業である。
しかし、習慣には「いい習慣」と「悪い習慣」とがあることを忘れてはならない。
いい習慣とは何か?
ズバリ、感動をともなう習慣だ。
たとえば、誰もが必ず身につけている習慣に、食事がある。
そして美味しいお寿司を食べたとき、極上のワインを飲んだとき、わたしたちは間違いなく感動する。
それが以前に飲んだことのあるワインであっても、脳は同じことをただ続けているとは思わない。
当たり前の話だが、おいしいものは「何度食べてもおいしい」のである。
それでは、悪い習慣とはどういうものだろう?
感動のない習慣、何も感じることのできない習慣、そしてストレスを蓄積してしまう習慣だ。
夜更かし習慣、運動不足の習慣、コンビ二弁当の食習慣、そして「趣味がない」という習慣。
これらから感動を得るのは不可能である。
気持のいい習慣、没頭できる習慣は、脳にとっても「いい習慣」である。
おいしい食事、適度な運動、恋愛や、それにやりがいのある仕事や趣味など、さまざまなものがこれに該当する。
『一瞬であなたの人生を変えるシンプルな習慣』フォレスト出版
日頃使う言葉や口ぐせはとても大事な習慣だ。
ポジティブでいい言葉を使うことこそ、それが「いい習慣」の始まり。
いい口ぐせがその人の良き人生をつくり、そして、運のいいポジティブな人たちを引き寄せる。
ユーモアや笑いも習慣にできる。
会話の中にユーモアを織り交ぜようとすれば、笑えるネタを毎日探すようになる。
ユーモアや笑いが、自分の習慣となって身につけば、最強の「いい習慣」となる。
また、読書も、知的で、多くの感動を呼び起こす、「いい習慣」。
毎日続ければ、そこに気づきや驚きがある。
映画やスポーツを見たり、演劇を鑑賞したり、寄席に行ったりする、ということも大きな感動体験となる。
なにも、海外旅行に行くとか、高級旅館に泊まるというような、お金のかかることばかりではない。
もちろん、日常の仕事の中や家庭生活に感動を見出すことが最高の「いい習慣」であるのは言うまでもない。
身近なことに感動できる、「いい習慣」を身につけたい。 |
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