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2013.2.10

洒落(しゃれ)で返せる人

童門冬二氏の心に響く言葉より…

たとえば、飲食店に行って、脇を通りかかったウェイトレスさんが、何かの弾みに持っていたトレイをひっくり返し、上にのっていたお皿を落として割ってしまいます。

店内のお客さんは一斉にウェイトレスさんに注目します。

傍(かたわら)にいるぼくは、笑いながら、

「ケガはしなかった?」

とききます。

ウェイトレスさんのほうは、(割ったお皿は給与から差し引かれる)

などと思っているでしょうから、ぼくが言った言葉に思わずほっとし、にっこり笑って、

「大丈夫です、どうもすみません」

と礼を言います。

そこでぼくはさらに、

「そうかい、それはおケガがなくてよかったね」

と言います。

実をいえば、ぼくの言った台詞はすべて落語に出典があります。

ひとつは「厩(うまや)火事」で、もうひとつは「大山詣(まい)り」です。

ぼくは日常会話の中に、結構落語の台詞を取り込んでいるのです。

世の中には、“苦労知らず”というタイプの人がいます。

脇から見ていて、

「どうしてあの人は、あんなに明るく生きられるのだろう?」

と羨ましくなります。

しかしこれはそう思うこっち側の努力が足りないせいで、こち側がいくら苦労が多いといっても、そういう底抜けに明るい生き方もできるのです。

漫才師に「昭和のいる・こいる」というコンビがいます。

こいるさんは、どんなに相手が深刻な話をしても、

「じゃあねえ(仕方ない)、しゃあねえ、しゃあねえ」

と繰り返し、

また、どんなに悲しい話をしても、

「そりゃあ、よかった、よかった」

と見当違いの相槌を繰り返します。

山本周五郎さんが書いた時代小説の主人公が、大きな危難にぶつかったときに、

「さしたる仔細(しさい)はない(大したことじゃない)」

と自分に言いきかせる台詞を思い出します。

「底抜けに明るく生きる」

には、自分を縛っているいろいろな制約を、自分で解き放つことが大切でしょう。

『人生で必要なことはすべて落語で学んだ』PHP文庫


どうしても、物事を深刻に捉えてしまう人がいる。

相手のミスや失敗を、すぐに怒ったり責めたりするタイプだ。

いつも眉間(みけん)にしわを寄せたような深刻な生き方には、遊びや余裕が感じられない。

落語は「間(ま)」が大事だと言われる。

何か大事件や、困難なことが生じても、一瞬の間をおいて、洒落(しゃれ)や笑いで返す。

その返し方が、頓珍漢(とんちんかん)だったり、見当違いだったりするから、そこに笑いが起こる。

誰もが怒ってしまうようなこと、みんなが不愉快になるようなことを、洒落や笑いで返せたら人生はもっと楽しくなる。



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