2013.1.20 |
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二位以下は全て一緒
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伊藤明&内藤誼人氏の心に響く言葉より…
「初めて飛行機で大西洋横断を成功させた人物は誰だろうか?」
答えは、チャールズ・リンドバーグ。
この名前を知っている人は多いだろう。
では、
「大西洋横断を“二番目に”成功させた人物は誰だろうか?」
今度はほとんどの人が答えられないのではないだろうか。
二位というのは、なかなか人間の記憶に残らないということを示す好例だ。
そう、
「人間は一位のものにしか興味がない。
人々にとって二位以下はすべて一緒だ」
この原理はビジネスにも当てはまる。
どんなに品質の良い製品を作ろうが、出だしが遅れれば消費者の記憶には残らないのである。
それにもかかわらず、ほとんどの会社では、ある市場ができあがるのを待ち、それから品質の面で他の競合会社に勝てばいいと思っているのである。
人々の頭の中では、「一位である」ということは、「優秀」であって「品質が良い」ことと同じ意味になっている。
だからわざわざ品質に注目しなくとも、一位であるという事実だけで十分なのである。
人間は、
初めて見るものや初めて聞くものに強烈な印象を受け、それを他のどんなものよりもよく記憶するというメカニズムを持っている。
「インプリンティング(刷り込み)」と呼ばれる現象だ。
では、
「大西洋横断を“三番目に”成功させた人物は誰だろうか?」
この人物の名前はアメリア・アーハートである。
しかし、アメリアは「大西洋横断飛行、第三位」ではなく、大西洋横断飛行を成功させた「初の女性飛行士」として知られているのである。
これが別の領域で一位になるということの秘訣だ。
無理矢理に別のカテゴリーを作り出し、ともかく一位になれば、人々は見る目を変えるのである。
「ああ、一位なのだ」と。
ある領域で一位になれなければ、別のところで一位になれば良いのである。
『「心理戦」で絶対に負けない本』アスペクト
商売において正攻法で一位になるのはかなり難しい。
しかし、商品分野や販売地域を小さくせばめたり、商品をしぼりこんだりすれば、その可能性はぐっと強まる。
すなわち、勝てる場所を選び、勝てる相手を選ぶという、ランチェスターの法則だ。
誰も参入しない小さな市場や地域。
競争相手が圧倒的に少ない、まだ未開の市場や見捨てられた分野。
そこで、自社の強みをもっと伸ばし、一点集中する。
ナンバーワンになることの最大のメリットは、人に覚えてもらえること。
一位になれるような分野と地域を選び、この競争社会を乗り切りたい。 |
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