2012.12.24 |
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ちょっとした勇気があれば
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石川起子さんの心に響く言葉より…
冬休みに入って間もなく、電車に乗りました。
アルバイトで疲れ、少し人間関係がイヤになっていたとき…ふと前を見ると、右手の不自由なおじさんが乗ってきて、私の左側に座りました。
そして、片手で一生懸命本を読み始めました。
ちらっと横目で見たら、1ページ1ページめくるのが大変そうで、思わず片手をサッと出して本のはしを持ってあげました。
黙って見ていられなくなってしまって、役に立ちたいと思ったからです。
おじさんは遠慮して、
「あっ、大丈夫ですよ」
と言って、すぐに読みかけの本をしまって、しばらくうつむいてしまったのです。
次の駅に着いたとき、おじさんは目に涙を浮かべながら、
「やさしんですね…」
と言ってくれました。
胸のどこかでじーんとした喜びがありました。
その直後、下車するようだったので、勇気を出して、
「がんばってください!」
と言えて、また、じーんとした熱い思いがこみあげてきました。
“埼玉県新座市 石川起子(16歳)”
『涙が出るほどいい話 第六集』河出書房新社
人に話した言葉は、実は、自分に話している。
なぜなら、口の一番近くにあるのは、他人の耳ではなく、自分の耳だからだ。
だから…
相手を罵倒すれば、自分を罵倒しているのと同じ。
相手を励ませば、自分を励ますのと同じ。
「困っている人に言葉をかけていますか?
そんな人に対して何が出来るだろうか?」(デール カーネギー)
ちょっとした勇気があれば、人に優しく、親切にすることができる。 |
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