2012.11.6 |
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一流アスリートのコメント力
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杉山芙紗子氏の心に響く言葉より…
スポーツ選手が勝利した時は、気分も高揚してますし、嬉しい気持ちで一杯なので、その時の態度は意識せずとも「いいもの」になります。
勝者のオーラに包まれた彼らは、毅然として爽やかなアスリートの姿を体現しているからです。
しかし、トップレベルの選手になればなるほど、対外的なコメントを求められる場面が多くなり、負けた試合でも容赦なくそれがやってきます。
しかし、そうした局面でも、彼らの態度は一貫しているのです。
負ければ誰でも悔しいし、情けない。
アスリートはみんな負けず嫌いな人達なのです。
負けた試合の後は、相当に悔しい思いをしていたはずです。
それでも彼らには、負けた時でも客観的に自分を振り返り、それをコメントできる力がある点では共通しています。
ゴルフの石川遼選手のフィジカルトレーナーである仲田健さんから聞いた話なのですが、ある日、石川選手は仲田さんとの雑談の中で、
「僕は今、ゴルフの調子がいいし結果もでているので、インタビューも多いし、みんなにちやほやされている。
でも、いつまでも続くとは限らないし、いろいろな人に感謝することも忘れてはいけない。
いつも謙虚でありたい。
だから、もし自分が生意気な口を利いたり、そういう態度が出たら注意してほしい」
と告げたそうです。
石川選手が頭角を現してきたのは、まだ彼が高校生の時でした。
その当時からすでに、彼の口からは大人も舌を巻く程の立派なコメントが常に出てきていました。
また、テニスの杉山愛選手はある時、「あなたにとってテニスとは何ですか?」と質問されて、こう答えていました。
「テニスは私にとって、自分探し&自分磨きのツールです。
どんなスポーツでも仕事でも、普段の生活が全てその中に出てしまうと思うのです。
テニスはテクニックだけ磨いてもコート上でいいパフォーマンスはできないし、人々に感動や勇気を与えることもできません。
一人の人間として、女性として、充実した生活を送っていることが、いいテニスプレーヤーになることの基本だと思います。
強いプレーヤーになることも大事かもしれませんが、もっと大切なことは、チャレンジし続け、それを通して自分磨きをすることだと思います」
また、宮里藍選手も
「賞金だけを追うビジネスとして割り切ったゴルフをしている選手には感動や夢を与えることはできません」
と言い切っていました。
『一流選手の親はどこが違うのか』新潮新書
杉山芙紗子(ふさこ)さんは、娘であるテニスの杉山愛さんのコーチで、現在も多くのジュニア選手を育成している。
一流のアスリートたちの育ち方には共通点があると杉山さんは言う。
それは、アスリートたちは小さいうちからスポーツを始めているので、スポーツが家族の共通の話題であり、重要なコミュニケーション手段となっていたこと。
家庭には対話が常にあり、コミュニケーション力がそこで磨かれていったという。
小さな頃から、あるスポーツを突き詰めた一流のアスリートたちは、若くして自分なりの哲学や倫理観、そして価値感ができあがる。
独自の深い哲学があるからこそ、素晴らしいコメントを発することができる。
一つのことを徹底し極めた人の言葉には、普遍的な真理がある。
仕事や生き様を通して、自分を磨き、独自の深い哲学を身につけたい。 |
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