2012.10.28 |
|
期待値を高くしないこと
|
|
五百田達成&堀田秀吾氏の心に響く言葉より…
ここ何年か「熟年離婚」が社会問題になっています。
ところで、結婚にも「恋愛」と「お見合い」とがありますが、どちらが幸せなのでしょうか?
実はそういう統計があって、恋愛結婚は、結婚したときが幸せのピークで、あとは時間の経過とともに下がっていきます。
一方のお見合い結婚は、最初は低いものの、年々幸福度は上がっていき、結婚5年もすると恋愛結婚を逆転することがわかりました。
実際に離婚率を見てみると、恋愛結婚では50%、お見合い結婚ではわずか5〜10%という結果が出ています。
その差はどこにあるのでしょうか?
人は、出会った最初は「類似性」に目が行きます。
休日の過ごし方や好きな歌手など、似ていること、共通していることがあると親しみを感じやすいのです。
しかし、関係が深まってくると大事になってくるのは類似性ではなく、「相補性」です。
相補性とは、たとえば「自分は苦手だけど相手は得意なこと」「自分にはないけど相手が持っている特技や特徴」などのことです。
「夫は料理ができるけど掃除は嫌い」「妻は掃除が好きだけど料理はできない」というように、お互いがお互いを補える相補性があると、いい関係を築きやすくなります。
じゃあ、最初から相補性のある人を探せばいいじゃん、と思うのですが、相補性とは「自分と違う」という意味でもあります。
たとえば大学生になってテニスサークルに入る人と文芸サークルに入る人では、外見から趣味嗜好から違う人種(であることが多いはず)です。
「ワオ、君の思慮深さと俺の行動力合わせたら最強タッグになっちゃうじゃん!」なんていう、実はすごい相補性があるかもしれないのですが、第一印象では互いに「オタク!」「な、なんてチャラいんだ!」と相容れないことが多いので、「あなたとの相補性に惹かれました」とはなかなかならないのです。
離婚問題を研究している人いわく、「結婚生活をうまくいかせるには、パートナーとは違う部分があってあたりまえと思うことが必要」だそうです。
ウインチという心理学者が25組の夫婦を対象に面接調査をしました。
うまくいっている夫婦には「一方が支配的で、もう一方が服従的(カカア天下や亭主関白の夫婦)、一方が相手につくすのが好き、もう一方が甘えんぼう」のように「相補性」があったそうです。
お見合い結婚は、いい意味で「とりあえず暮らしてみよう」とあきらめがついた状態で生活がスタートします。
そのため、お互いの違いを相補性として意識しやすいのです。
一方、恋愛結婚では、「この人は最高のパートナー」という最初の期待値が高くなりがちです。
だからこそ、だんだん生まれてくるささいな違いが許されなくなってしまいます。
『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』クロスメディア・パブリッシング
結婚の問題は、うまくいっている社長と副社長の関係とも似ている。
例えば、ホンダ社長の本田宗一郎氏が製造や開発一筋で、方や副社長の藤沢武夫氏が財務と販売というような、異なった才能の組み合わせ。
本田宗一郎氏はこう語った。
『藤沢武夫という盟友をえたおかげで経営を任せる事ができ、自分は技術や開発に専念できた。今日のホンダがあるのは藤沢武夫のおかげである』
あらゆる選択は、自分の好みで選べば、類似性という自分と似たものを選ぶことになる。
嫌いなもの、苦手なもの、真逆のものという、自分とは異質なものは選ばないからだ。
会社や組織においては、異質な才能が組み合わさっているからこそ、全体として強くなる。
相手への期待値を高くすれば、欠点ばかりが目につくようになる。
反対に、期待値を下げれば、人の良いところが見えてくる。
そして、相手との違いも気にならない。
期待値を下げ、もっと楽に生きてみたい。 |
|
|