ご注文はこちらから


パクチーのサプリメント・パクチーエナジーゴールド(コリアンダーのサプリメント)
トップページ製品紹介特長・成分会社案内特商法に関する表記買い物カゴよくある質問人の心に灯をともす


2012.9.21

名将に武勲なし


矢沢永一氏の心に響く言葉より…

最近、銀行強盗が流行っている。

強盗が入ってきて、それを勇敢な社員が捕まえた。

それは実に立派なことだと、その社員は表彰された。

しかし、はたしてそれが本当に喜ぶべきことでしょうか。

銀行強盗に入るには、たいてい下見に入っている。

その銀行の守りが堅固だったら、強盗は「これはダメだ」と思って、おそらく諦めるだろう。

その結果として、銀行は無事である。

そのように持っていける支店長が、実は最高の存在なのです。

「故(ゆえ)に善く戦う者の勝や、智名無く」

どんな会社でもそうです。

実際、その人が会社を支えているような立派な人がいるものですが、その人は持て囃(はや)されない。

一方に、パフォーマンスが好きな社員がいて、そんな類のことを喜んでやる。

世間ではみんな「彼は優れている」と言うけれども、本当は優れているのではない。

むしろ目立たないところに、優れた人物がいるのだということです。

企業であれ、学校であれ、どこにでもそういう人がいますね。

勝って当たり前のような勝ち方をしているから、目につかないということで、大石蔵助がまさにその標本です。

「戦争の上手な人が勝っても、その智謀が優れているという評判もなければ、武勇による功績もありません」

というのは、つまり目につきやすい功績は、真の功績にあらずということです。

勝つか負けるか予断を許さないというような、鍔迫(つばぜ)り合いの決戦に持ち込んで、奮闘のすえ辛うじて勝ったという場合、その指揮者を名将と言えるか、という問題があります。

応えは、否、です。

本来あるべき名将は、事態をそのような危機に持ち込む以前に、敵が戦いを挑(いど)んでくる余地のない情勢をつくりあげるでしょう。

だから、名将に赫々(かくかく)の武勲(ぶくん)なし、というのです。

『孫子・勝つために何をすべきか』“矢沢永一・渡部昇一”PHP文庫


戦国時代の剣豪の塚原卜伝(ぼくでん)に次のような話がある。

ト伝が船に乗っているとき、途中から若い武芸者が乗ってきた。

武芸者は、高名なト伝が乗っていると知るや、決闘を申し込んだ。

ト伝は、のらりくらりとかわしていたが、ト伝が臆病風に吹かれたと思った武芸者は、ますます図に乗って挑発した。

まわりの乗客の迷惑になるの気にしたト伝は、仕方なく、近くの小島で決闘することに同意する。

船が小島に着き、先にその武芸者を降ろしたト伝は、船頭から受け取った棹で陸地を一突きして、さっさと島から船を出した。

一人、小島に残された武芸者は大声で罵ったが、ト伝は「戦わずして勝つ」と言ったという。

「匹夫(ひっぷ)の勇(ゆう)」という言葉がある。

思慮が浅く、ただ血気にはやってがむしゃらに行動するような、つまらない勇気のことを言う。

自分に相当自信がある人は、往々にして、目立つことや、派手なことを好む。

本当は、世の中には、上には上があるのだが、それを知らずして、己の力を誇示する人は恥ずかしい。

真に実力のある人は、戦わずして勝つことを目指す。

「名将に武勲(ぶくん)なし」

目立たず、褒められることもないのが、真の実力者だ。



人の心に灯をともす 一覧へ戻る